ドイブラー(その他表記)Däubler, Theodor

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドイブラー」の意味・わかりやすい解説

ドイブラー
Däubler, Theodor

[生]1876.8.17. トリエステ
[没]1934.6.13. ザンクトブラージエン
ドイツ詩人,小説家。ヨーロッパの各地を漂泊。少年時代を過した南ヨーロッパの影響が強く,繊細な言語感覚,幻想的なイメージ,激しく力強い表現が特徴。また原始キリスト教,グノーシス派の色彩もあり予言者的な傾向が目立つ。代表作は神秘的,宇宙的規模の神話を展開した3万行に及ぶ大叙事詩極光』 Das Nordlicht (1910) 。ほかに,詩集星明りの道』 Der sternhelle Weg (15) ,『アッチカ・ソネット』 Attische Sonette (24) ,表現主義芸術の理論づけを試みたエッセー『新しい立場』 Der neue Standpunkt (16) がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドイブラー」の意味・わかりやすい解説

ドイブラー
どいぶらー
Theodor Däubler
(1876―1934)

ドイツの詩人。生まれ育ったアドリア海沿岸の風光を、自己の文学形成においてつねに意識していた。「太陽がすべての本質を生み出す」という観念を、ギリシア古典の美形式をよりどころに、キリスト教倫理をまといつつ、宇宙論的に発展させたのが、代表作の叙事詩『極光』(1910)である。彼は表現主義を賛美擁護したが、自らは古典派浪漫(ろうまん)派の流れから出ていなかった。作品はほかに『星明りの道』(1915)、『アッティカのソネット』(1924)など。

[内藤道雄]

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