翻訳|drive-in
自動車に乗ったまま利用できる各種のサービス施設。飲食施設をはじめ,ショッピングセンター,映画館(ドライブイン・シアター),銀行(ドライブイン・バンク)などがある。モータリゼーションが最も早く,しかも本格的に進行したアメリカにおいて,1920年代に登場した。drive-inとは〈自動車で乗り込む〉という意味であり,最初に登場した飲食施設では,厳密には自動車に乗ったまま車内で食事のできる施設をいった。客は駐車場のそれぞれの駐車スペースに用意されたマイクロホンを通じて料理を注文し,従業員が調理場から車まで届けるというしくみで,マイクを使わずローラースケートをはいたウェートレスが注文に応じるものもあった。現在では客が料理を取りに行く店や,店内で食事する店が多く,いずれも低価格で十分な駐車スペースをもっている。日本では1960年ころから登場し,街道筋や高速道で簡単な食事と土産品などを供するものと,都市近郊のいわゆる〈郊外レストラン〉の双方をドライブインと呼んでいる。
執筆者:岡本 伸之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
アメリカで発達したドライバーのための各種サービス施設。日本では広い駐車スペースをもつ道路沿いのレストランが、1960年(昭和35)ごろからこの名称を用い始めたが、一時期団体用ドライブ・インの乱立で評判を落としたため、この名称はしだいに用いられなくなった。本来はドライバーの休息、食事の店に簡易な宿泊施設を備えたdrive-innが原型で、innは小規模な家族的旅館を意味した。
現在アメリカでは、ドライブイン・レストラン、ドライブイン・マーケットから車のままで用が足せるドライブイン・バンク、ドライブイン・シアターまであるが、地価の高い日本では大空間を必要とするこうした施設は発達していない。
[小山 和]
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