どれ(読み)ドレ(その他表記)Gustave Doré

デジタル大辞泉 「どれ」の意味・読み・例文・類語

どれ

酔っぱらい。
「―に下地の無息力」〈浄・寿の門松
ならず者。どら。
「さてやかましい、皆あいらは―さうな」〈浄・虎が磨〉

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精選版 日本国語大辞典 「どれ」の意味・読み・例文・類語

どれ

  1. 〘 名詞 〙
  2. 泥酔者。よっぱらい。酔いどれ。
    1. [初出の実例]「両方ともに、どれになって、色々の物語つきて」(出典:浮世草子・西鶴諸国はなし(1685)二)
  3. ならず者。放蕩児。どら。
    1. [初出の実例]「扨やかましい皆あいらはどれそふな」(出典:浄瑠璃・曾我虎が磨(1711頃)傾城十番斬)

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改訂新版 世界大百科事典 「どれ」の意味・わかりやすい解説

ドレ
Gustave Doré
生没年:1832-83

フランス挿絵画家,版画家ストラスブールに生まれ,1847年にパリに出,フィリポンC.Philiponの《笑い時報》に協力。54年以降,膨大な量の書物の挿絵を描き,国際的な名声を得る。彼の精緻な木口木版は専門彫版師の手になり,滑稽味を混じえた幻想性にあふれ(ラブレーパンタグリュエル》(1854),バルザック《風流滑稽譚》(1855)),ときにはロマン主義的な情念のドラマを壮大な背景の中に現出させている(ダンテ神曲》(1861),セルバンテスドン・キホーテ》(1863))。ゴッホに感銘を与えた《ロンドン》(1872)ではレアリスムの側面も見せた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「どれ」の意味・わかりやすい解説

ドレ
どれ
Gustave Doré
(1832―1883)

フランスの画家、挿絵画家。ストラスブール生まれ。早くから素描の才を示し、石版画を手がける。パリの高校在学中の15歳のとき、出版者フィリッポンの依頼を受けて『ジュルナール・プール・リール』紙に挿絵を掲載するようになり、1854年にはラブレーの挿絵、翌年にはバルザックの『風流滑稽譚(こっけいたん)』の挿絵で名をあげた。その後もラ・フォンテーヌ、『ドン・キホーテ』、聖書などさまざまな書物の挿絵を制作する一方、クリミア戦争やロンドンのスラム街での取材による挿絵など、なかばルポルタージュ的なものも描いている。挿絵画家としての彼の名声はきわめて高かったが、パリでは彼の油彩はさほどの評価を受けなかった。しかし、ロンドンでは早くから評価され、「ドレ・ギャラリー」の設立は1867年である。ゴッホの名作『囚人たちの運動』は、彼の『ロンドン巡礼』の一葉によっている。パリに没。

中山公男

『山室静著『ドレ画 聖書物語』(1979・社会思想社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「どれ」の意味・わかりやすい解説

ドレ
Doré, (Paul-) Gustave

[生]1832.1.6. ストラスブール
[没]1883.1.23. パリ
フランスの版画家,挿絵画家。 11歳のときから石版画に専心。 1847年パリに出て,48~51年パリの風刺紙『ジュルナル・プール・リール』に毎週挿絵を掲載。 54年 F.ラブレーの『ガルガンチュアとパンタグリュエル』の木版の挿絵で名声を博し,以来すぐれた素描家としてバルザックの『滑稽譚』 (1855) ,ダンテの『地獄』 (61) ,『ドン・キホーテ』 (63) および聖書 (66) など 90冊以上の本の挿絵を制作。晩年,70年代の初め頃からおもに油絵彫刻を手がけた。

ドレ
Dolet, Étienne

[生]1509.8.3. オルレアン
[没]1546.8.3. パリ
フランスのユマニスト,詩人,出版者。早くから古典に親しみ,各地を遍歴し勉学。リヨン滞在中,印刷出版業を営み,新約聖書の仏訳などを刊行したが,激しい性格と無神論的思想のために逮捕,投獄,逃亡を繰返した。涜聖,禁断書の出版のかどで火刑に処せられた。主著『ラテン語考』 Commentarii Linguae Latinae (1536~38) 。

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百科事典マイペディア 「どれ」の意味・わかりやすい解説

ドレ

フランスの画家,版画家。ストラスブール生れ。戯画や挿絵で有名。当時の社会相を活写した素描や,《神曲》(〈地獄篇〉1861年),《ドン・キホーテ》(1862年)をはじめとする幻想性豊かな挿絵を多数残している。1870年代からは油絵や彫刻作品も手がけた。

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世界大百科事典(旧版)内のどれの言及

【絵本】より

…スイスには20世紀初めのクライドルフErnst Kreidolf(1863‐1956)などをはじめとして清純な画風の人々が多く,ポスターで活躍するかたわらアルプスの山村を舞台にした生活感あふれた絵本を描くカリジェAlois Carigiet,軽妙洒脱な線描のフィッシャーHans E.Fischer,重厚な写実でグリム童話を絵本化するホフマンFelix Hoffmannなど,いずれも美しく気品のある最高に芸術的な絵本をおくりだしている。
[フランス]
 フランスでは,ブッシュにも影響をあたえたロドルフ・テプフェル(1799‐1846)を先導として,達者なカリカチュアを描いたG.ドレがあり,ド・モンベルBoutet de Monvel(1850‐1913)が《ジャンヌ・ダルク》(1896)その他の絵本を描くにいたって,ついにフランスの絵本が世界を支配した。ついで手描きの型紙で彩色したアンドレ・エレやエディ・ルグランが,1930年代に入り《ペール・カストールの画帖》にフョードル・ロジャンコフスキーF.S.Rojankovsky,ナタリー・パランが石版画により新鮮な写実的画風で成功を収める。…

※「どれ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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