ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナーディル・シャー」の意味・わかりやすい解説
ナーディル・シャー
Nādir Shāh
[没]1747.6.19. クーチャン
イラン,アフシャール朝の創始者 (在位 1736~47) 。ナーディル・クリー・ベグと呼ばれ,アフシャール族の山賊の首領であったが,サファビー朝のアッバース3世を擁立して,トルコ,ロシアなどと戦ってたびたび破り,タハマースプ・クリー・ハンの称号を贈られた。しかし,1736年アッバース3世を廃してナーディル・シャーと称し,みずから王位についた。 38年より攻撃を東に転じて,アフガニスタンのカンダハール,カブールなどを占領し,さらにインドのムガル帝国と戦い,39年にはその首都デリーを略奪,有名な「くじゃくの王座」を持去った。残忍,野蛮であったため,47年ホラーサーンで反乱鎮圧にあたっていたある夜,天幕の中で暗殺された。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報