日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニトリロ三酢酸」の意味・わかりやすい解説
ニトリロ三酢酸
にとりろさんさくさん
nitrilotriacetic acid
分析試薬の一つ。ニトリロトリ酢酸、アンモニア三酢酸、トリス(カルボキシメチル)アミンなどともいう。略称NTA。アンモニアとクロロ酢酸とからシアン化カリウム、ホルムアルデヒドの作用で得られる無色の結晶で、冷水に難溶。アルカリ土類金属、マグネシウム、重金属イオンと水に溶けやすい安定な一対一の錯塩をつくる(配位子としてはntaH3と略記)。錯塩の安定度はエチレンジアミン四酢酸(EDTA)より劣る。二ナトリウム塩はキレート滴定用の試薬として使われている。
[務台 潔]