東アフリカから南アフリカのサバンナにすむ大型のアンテロープ。別名ウシカモシカ,ワイルドビースト,ウィルドビースト(英名wildebeest)。偶蹄目ウシ科の哺乳類。前半身と頭部ががっしりとしていて大きく,ウシを思わせるのに対して後半身が細くふつりあいに貧弱に見える特異な姿をしている。雌雄ともにウシに似た角をもち,四肢は細い。首から肩にかけて長い黒色のたてがみがある。体色は茶褐色。尾の毛は黒く長い。体長175~240cm,肩高115~145cm,尾長70~100cm,体重145~270kg。
しばしば,シマウマなどの他の種の有蹄類を含む大きな群れをつくって生活するためによく目だつ。とくに6~7月の雨季から乾季への変り目と10~11月の乾季から雨季への変り目には,数万の大群をつくり,とぎれなく移動する姿が見られることで名高い。これは乾季に草原の草を利用できなくなることから,低地の河辺林へ移るためである。移動距離は数百kmに達する。朝と夕方にとくによく活動して,おもに草を食べる。雌は,雨季の移動を終え,草原に出てまもなく,1産1子を生む。ライオン,ハイエナ,リカオンなど捕食者が多く,とくに出産時の雌と誕生直後の子がねらわれるが,ヌーは,大部分の個体が1年のうちの3~4週間という限られた期間にいっせいに子を生むことで犠牲を少なくしている。視覚,聴覚,嗅覚(きゆうかく)ともにすぐれている。近縁種に,南アフリカにすむオジロヌーC.gnouがある。
執筆者:今泉 吉晴
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哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。アンテロープの1種で、ウシカモシカ、オグロヌー、ウィルドビーストともいう。アフリカ東部から南部に分布し、開けたサバナに生息する。肩高1.3~1.4メートル、体重150~270キログラム。角は雌雄にあり、長さ65センチメートルほどである。体は灰色で、たてがみや尾は黒色。通常20~50頭ほどの群れをつくり、朝夕にイネ科の若葉や芽を好んで食べる。乾期には数万頭の大群をなし、1日に50キロメートル、目的地まで1600キロメートルを超す大移動を行う。移動の途中で雄をリーダーとする繁殖期の群れがつくられる。妊娠期間は8~9か月で、若草の多い雨期に普通1子が生まれる。寿命は約20年。アフリカ南部には近縁種のオジロヌーC. gnouが分布する。本種は肩高1.15メートル、体重130キログラムと小形で、胸に長毛があり、尾が長くて白い。かつては多数が生息したが、乱獲により絶滅寸前となった。しかし、現在では保護され、2000頭以上にまで回復している。
[今泉忠明]
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…古代エジプトの天空の女神。ヘリオポリス神学によれば,大地の神ゲブの妻,オシリス,イシス,セト,ネフテュスの母で,ヘリオポリス九柱神の一人,シューとテフヌートの娘とされる。シューに支えられて,両足と両手を東西の地平線に置いた姿で表されるが,地上に立つ巨大な牝牛の姿をとることもある。…
…体は黄褐色,栗色,灰色などあり,白斑は左右の目の間にときどきみられる。すべてアフリカ産で,300~1000頭にもなる群れをつくるハーテビーストAlcelaphus buselaphus,独特の長い顔と短く太い角をもつコンジハーテビーストA.lichtensteini,アリ塚などに登って敵を見張る習性をもつトピDamaliscus lunatus,大群で季節的移動をするヌーConnochaetes taurinusなどの3属7種がある。(3)オリックス亜科Oryginae 大型で雌雄とも長い槍状,サーベル状,あるいは栓抜き状の角をもち,顔に腺はなく,尾は長く先に房毛がある。…
…体は黄褐色,栗色,灰色などあり,白斑は左右の目の間にときどきみられる。すべてアフリカ産で,300~1000頭にもなる群れをつくるハーテビーストAlcelaphus buselaphus,独特の長い顔と短く太い角をもつコンジハーテビーストA.lichtensteini,アリ塚などに登って敵を見張る習性をもつトピDamaliscus lunatus,大群で季節的移動をするヌーConnochaetes taurinusなどの3属7種がある。(3)オリックス亜科Oryginae 大型で雌雄とも長い槍状,サーベル状,あるいは栓抜き状の角をもち,顔に腺はなく,尾は長く先に房毛がある。…
※「ヌー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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