high fidelity(高忠実度)の略。音や画像の再生にあたって、元のものに近い状態で忠実に再生されるとき、フィデリティが高いといい、このような再生状態をハイファイ再生とよんでいる。ハイファイという概念は、音や画像だけでなく、あらゆる情報の再生の品質に対して適用できるものであるが、一般には音の再生に対して適用されることが多い。これは記録・再生される各種情報のうち、音がもっとも頻繁かつ有用に利用されるものであること、人間の感性や情緒に対して音がきわめて密接な関係をもっているために、再生音のよしあしがとくに重要視されることなどによるものと考えられる。
ハイファイということばは、ハイファイ録音、ハイファイ再生のように録音・再生のプロセスにおける質を評価するのに使われたり、ハイファイ再生装置、ハイファイ増幅器のように再生機器の品質の評価のために使われたりする。これらの場合、録音・再生の過程で使われる機器の周波数特性がよく、また雑音やひずみを伴うことなく、元の音を損なわないで再生できることが、ハイファイの基本条件となる。
しかし、広く使われているわりには、ハイファイについて明確に統一された尺度はいまのところできていない。これは、演奏会場や再生する場で考えたとき、何をもって元の音と考え、どのような再生状態をもって高忠実再生と考えるかの基準を決めることがきわめてむずかしいからである。信号としての音の質だけでなく、再生音場の質まで考慮に入れたハイファイの尺度化は今後の検討課題である。
[吉川昭吉郎]
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… オーディオの初期のころは技術レベルが低く,物理的音質を向上させることが第1目的となり,雑音やひずみを減らし,周波数帯域やダイナミックレンジを広くする努力がなされてきた。ここにハイファイHi‐Fi(high fidelityの略),すなわち高忠実度という用語が生まれた。高忠実度とは伝送システムにおいて入力信号を忠実に伝送して出力信号とする度合が高度であることを表す。…
… 媒体としてのレコードが絶えず追求してきた課題に,高忠実度(ハイ・フィディリティ。略してハイ・ファイHi‐Fi)の問題がある。しかしそれはいわゆる〈原音再生〉と,レコードとしての〈音づくり〉との矛盾する作業の中で行われてきた。…
※「ハイファイ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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