ハナワラビ(花蕨)(読み)ハナワラビ(英語表記)Sceptridium ternatum; grape fern

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハナワラビ(花蕨)」の意味・わかりやすい解説

ハナワラビ(花蕨)
ハナワラビ
Sceptridium ternatum; grape fern

ハナワラビ科の冬緑性シダ植物で,フユワラビともいう。アジア東部の温帯およびヒマラヤにまで広く分布し,山地原野日当りのよいところに生える。肉質の細い地下茎から葉を直立して基部でふたまたに分れ,1つは長い柄をもつ栄養葉で3~4回羽状に深裂する。他は4回羽状に分れた胞子葉で,裂片は軸だけで細く,軸の周囲に大型の胞子嚢を群生する。胞子葉は栄養葉よりはるかに長く直立する。胞子は球形の四面体型で黄色。近縁種のオオハナワラビ S. japonicumは栄養葉が3回羽状に深裂し,本種よりやや大型で,葉柄羽軸に灰色の長毛がまばらに生える。

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