ハワイ併合(読み)ハワイへいごう(その他表記)Annexation of Hawaii

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハワイ併合」の意味・わかりやすい解説

ハワイ併合
ハワイへいごう
Annexation of Hawaii

1898年アメリカ合衆国がハワイを併合したこと。ハワイはカメハメハ1世在位 1795~1819)の統一以来,1839年の憲法制定などを経て独立した立憲君主国(→立憲君主制)となっていた。しかし 1820年代からニューイングランド宣教師や捕鯨業者,商人が入り込み,しだいに砂糖・パイナップル事業にもアメリカ人が進出して,1890年頃には事実上ハワイを支配するにいたった。「ハワイ人のためのハワイ」を主張するリリウオカラニ(在位 1891~93)が女王となると,1893年1月にアメリカ人のサンフォード・B.ドールらはホノルル港に停泊中のアメリカ軍艦の援助を得て革命を起こし,新政府を組織した。新政府は同 1893年2月ハワイ併合条約起草,調印し,アメリカの連邦上院に提出した。しかし,アメリカ大統領に就任したばかりの民主党のグローバー・クリーブランドはドールらの革命を非難し,条約の撤回,新政府の解消と女王の復位を求めた。ドールを大統領とする新政府はそれに抵抗し,1894年7月にハワイ共和国の建国を宣言,翌 8月にクリーブランド大統領も正式に新政府を承認した。1897年アメリカ大統領に就任した共和党のウィリアム・マッキンレーはハワイ併合を推進し,同 1897年6月に併合の新条約に調印したが,上院の反対勢力がその批准を遅らせ,アメリカ=スペイン戦争さなかの 1898年7月にいたって,上下両院合同決議のかたちで併合が承認された。同 1898年8月に正式にアメリカ領となり,1900年ハワイ共和国初代大統領のドールがハワイ準州初代総督となった。

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