日本大百科全書(ニッポニカ) 「バシレイオス(1世)」の意味・わかりやすい解説
バシレイオス(1世)
ばしれいおす
Basileios Ⅰ
(827―886)
ビザンティン皇帝(在位867~886)。帝国の最盛期であるマケドニア朝の初代皇帝。宮廷の馬丁からミハイル3世(在位842~867)の寵臣(ちょうしん)となり、のちに同帝を暗殺して即位。前代からの「フォティオス論争」には第8回公会議を首都コンスタンティノープルで開催し(869~870)、学者出身で総主教のフォティオスを解任、ローマ教皇と和解。東部では異端のパウリキア派を抑え(872)、小アジア東部に進出。南イタリアではシラクーザを失ったものの、テマ・ロンギバルディアをカラブリアに新設し、イスラム勢力の北上に対抗。国内では法の整備を図り、『ローマ法大全』の民法と公法のなかから実用に適する規則を抽出した『プロケイロン』(実務便覧)とその改編『エパナゴーゲ』を刊行した。
[和田 廣]