バリエテ(読み)ばりえて(英語表記)Variété

デジタル大辞泉 「バリエテ」の意味・読み・例文・類語

バリエテ(〈フランス〉variété)

バラエティー」に同じ。
[補説]書名別項。→バリエテ

バリエテ【〈フランス〉Variété】[書名]

バレリーによる文芸・芸術評論集。全5巻。第1巻は1924年刊行。2巻から4巻はそれぞれ1930年、1936年、1938年に出版され、最終の第5巻は1944年の刊行。

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精選版 日本国語大辞典 「バリエテ」の意味・読み・例文・類語

バリエテ

〘名〙 (variété) =バラエティー
※夢声半代記(1929)〈徳川夢声〉Z枝嬢投身事件「可笑しく、悲しく、〈略〉馬鹿々々しい、恋のヴァリエテから、超然たりし一人の友が」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バリエテ」の意味・わかりやすい解説

バリエテ
ばりえて
Variété

フランスの詩人・文芸批評家バレリーの評論集。全五巻。1924~44年刊。青年時に書いたレオナルド・ダ・ビンチ論ほか一編を除き、著者が文名確立後発表の論文随想を集めたもので、「多様性」を意味する標題そのままに多様な主題にわたる。これを著者自身は「文学的研究」「哲学的研究」「準政治的試論」「詩論と美学」「詩人の回顧」の5種に分類している。文学とは言語能力の拡大、変形にあるとして、伝記的批評を退けた作家論、作品論。意識的文学制作方法論の主張。詩の発現メカニズムの明晰(めいせき)な解剖。あいまいさを拒否する自意識劇の精密な分析。また、近代の混乱を直視しヨーロッパ文明の未来を憂える文明批評など。「純粋詩論」「パスカル批判」は論争を引き起こしたこともある。そのいずれも明晰、典雅文体による厳密な思考表現で貫かれ、20世紀前半期批評文学の最高峰と目されている。

清水 徹]

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