バンジョー(その他表記)banjo

翻訳|banjo

デジタル大辞泉 「バンジョー」の意味・読み・例文・類語

バンジョー(banjo)

撥弦楽器の一。片面に皮を張った円形共鳴胴と長いさお、5~6本の弦からなり、指または義甲で弾奏する。アメリカカントリー音楽などで用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「バンジョー」の意味・読み・例文・類語

バンジョー

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] banjo ) 撥弦楽器の一つ。表面にだけ革を張った円形の胴に長い棹をつけ、四本から九本(通常五本)の腸弦または金属弦をもつ。弦のうち一本が旋律弦、他は伴奏弦となっている。
    1. [初出の実例]「各(おのおの)バンジョーとマンドリンとを取り上げ」(出典:あめりか物語(1908)〈永井荷風〉夜半の酒場)

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改訂新版 世界大百科事典 「バンジョー」の意味・わかりやすい解説

バンジョー
banjo

アメリカで発達した撥弦楽器の一種で,おもにジャズ民俗音楽に使われる。ミンストレル・ショーとともに広まった楽器でもある。長い棹に標準5本(弦数,サイズには変化が多い)の弦を張り,指先または義甲(ピック)を使って弦をはじく。共鳴胴は円形で表面に皮を張り,裏面は何も張らず開放してある。音色は甲高く明朗。西アジア,北アフリカに発生した棹の長いリュート属楽器がアフリカ黒人のあいだに伝わり,それが奴隷船によってアメリカ大陸に運ばれたものと考えられる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バンジョー」の意味・わかりやすい解説

バンジョー
ばんじょー
banjo

リュート属撥弦(はつげん)楽器。円形の胴に皮膜を張り、長い棹(さお)を取り付けたもので、西アフリカの人々がアメリカ大陸へ連れてこられた際に持ち込まれた楽器がもとになっている。今日では皮膜にプラスチックを用いており、膜の張力を調節するためにスネア・ドラムにみられるような金具がついている。胴の裏は板を張ったものが普通になっているが、閉じないままのものもある。弦は金属の場合が多いが、ガットナイロン弦を用いることもあり、一般的には5~6本。そのうち1本は他より短い旋律弦である。これは楽器を構えたときにいちばん上にくる弦で、棹の途中に糸巻がある。これ以外の弦は、ギターなどと同様、上から下へと低い順に張られる。多くの場合金属製のフレットがあり、駒(こま)は皮膜上にある。指または義甲で弾く。かつてはミンストレル・ショーなどでよく用いられ、今日ではブルーグラスの主要な楽器となっている。

[卜田隆嗣]


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音楽用語ダス 「バンジョー」の解説

バンジョー[banjo]

アフリカの黒人がアメリカに持ち込んだ楽器で、その後アメリカのカントリーやディキシーランド・ミュージックで主に使用される。ボディは木と金属で作られたリムでできていて、ギターのボディの表板にあたる部分には、プラスチックまたは革製のヘッドが貼られている。レゾネーターは、付いているものといないものがある。ネックの幅はギターに比べて狭い。ブルーグラス・バンジョーは5弦で、チューニングは1弦からD/B/G/D/G/(3弦のオクターブ上)。5弦のG音をコードに関係なくピッキングするのがサウンドの特徴。テナー・バンジョーは4弦で、チューニングは1弦からE/A/D/GまたはE/B/G/Dとし、ストロークで演奏する。ギター・バンジョーは6弦でギターと同じチューニング。ギターのスリー・フィンガー、別名スクラッグ・スタイルや、メロディック・スタイル、フレイング、ダブル・サミング、ストロークなど様々な奏法がある。

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百科事典マイペディア 「バンジョー」の意味・わかりやすい解説

バンジョー

米国の長い棹をもつリュート属撥弦楽器。棹にはフレットがつく。丸い枠に1枚の皮膜を張った共鳴胴。17世紀に黒人奴隷がもたらした楽器が,19世紀半ば以降近代的に発達した。今日では指でひく5弦のもの(19世紀半ばに考案された)が普通で,カントリー・ミュージックのうちで最も民俗音楽に近い素朴なスタイルのブルーグラス音楽などに欠かせない。20世紀初頭にはラグタイム・ジャズの流行とともにピックでひく4弦のバンジョーが用いられたが,やがてギターに取って代わられた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バンジョー」の意味・わかりやすい解説

バンジョー
banjo

撥弦楽器の一種。アメリカの黒人の民族楽器で,アフリカのコンゴ地域のバンジューからきた名称と思われる。響板に皮膜を張った丸い胴と長い棹から成り,弦は最初7~9本用いたが現在は4~5本。 19世紀末から,黒人ばかりでなく一般にも普及した。ピッコロからバスまであるが,普通はテナー・バンジョーが使われる。奏法は指を使うが,最近は義甲を使うこともある。

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世界大百科事典(旧版)内のバンジョーの言及

【大正琴】より

…東南アジア,インド,ハワイ,アフリカなどにまで輸出され,それらの地域では,日本のコトといえば,この大正琴を指す場合もある。インドではブルブルタラングbulbultaraṅgとかバンジョーbanjoなどとも呼ばれ,イスラム教の賛歌の伴奏にまで用いられたことがある。【平野 健次】。…

【大正琴】より

…東南アジア,インド,ハワイ,アフリカなどにまで輸出され,それらの地域では,日本のコトといえば,この大正琴を指す場合もある。インドではブルブルタラングbulbultaraṅgとかバンジョーbanjoなどとも呼ばれ,イスラム教の賛歌の伴奏にまで用いられたことがある。【平野 健次】。…

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