ヒドロニウムイオン(読み)ひどろにうむいおん(その他表記)hydronium ion

デジタル大辞泉 「ヒドロニウムイオン」の意味・読み・例文・類語

ヒドロニウム‐イオン(hydronium ion)

オキソニウムイオン

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精選版 日本国語大辞典 「ヒドロニウムイオン」の意味・読み・例文・類語

ヒドロニウム‐イオン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] hydronium ion ) 水和した水素イオンプロトン)。一般に H3O+ と表わす。水溶液中の水素イオン単独では存在しえず、水分子の配向したヒドロニウムイオンとなっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒドロニウムイオン」の意味・わかりやすい解説

ヒドロニウムイオン
ひどろにうむいおん
hydronium ion

水和した水素イオンのうちH3O+俗称。正しくはオキソニウムイオンoxonium ionという。水和が重要でないときは簡単に水素イオンという。水素イオンすなわちプロトンはほかのイオンに比べるとはるかに小さく、したがって電荷密度がきわめて高く、そのため、水中では水分子の非共有電子対と結合して下図のようなオキソニウムイオンをつくる。


しかも、このイオン中の三つの水素原子は互いに対等であり、したがって、それぞれ同程度の正電荷を帯びることになる。このため、これらの三つの水素原子はほかの水分子と水素結合によってつながり、H3O+・3H2O=H9O4+のような原子集団をつくっている。いわば水和したオキソニウムイオンとなっている。このようなオキソニウムイオンの存在は結晶中でもみいだされており、たとえば過塩素酸一水和物HClO4・H2O(融点50℃の無色の結晶)は、実は[H3O][ClO4]のようなイオン結晶であることが明らかにされている。

[中原勝儼]

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百科事典マイペディア 「ヒドロニウムイオン」の意味・わかりやすい解説

ヒドロニウムイオン

水溶液中の水素イオンH(+/)は実際には溶媒の水分子と結合しH3O(+/)となって存在している。このH3O(+/)をヒドロニウムイオン(ヒドロキソニウムイオンとも)という。さらに多くの水分子と結合(たとえばH9O4(+/))している場合もある。H(+/)に結合した水分子が問題にならぬ中和滴定等の場合にはH(+/)として扱っても差しつかえない。
→関連項目酸性

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栄養・生化学辞典 「ヒドロニウムイオン」の解説

ヒドロニウムイオン

 ヒドロキソニウムイオンともいう.水素イオンとよばれるHで表されるイオンは,水中では水と会合し,H3Oという形で存在する.このイオンをいう.実際にはさらに数分子の水と会合しているとされる.

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化学辞典 第2版 「ヒドロニウムイオン」の解説

ヒドロニウムイオン
ヒドロニウムイオン
hydronium ion

H3O旧称命名法による正式名称はオキソニウムイオン

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒドロニウムイオン」の意味・わかりやすい解説

ヒドロニウムイオン

「オキソニウムイオン」のページをご覧ください。

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