人間と機械(とくにコンピュータ)との接触面をいうが、実際は、機械を使いやすくするためのソフトウェアやハードウェア全般をさす。ユーザー・インターフェース(UI)ともいう。CHI(Computer Human Interaction)、あるいはHCI(Human Computer Interaction)と略称されることも多い。現在のパーソナルコンピュータ(パソコン)の大半はアイコンやウィンドウ表示などを備えるGUI(Graphical User Interface)をもっており、それがユーザーとの接触面になっている。ユーザーは、これにより、プログラム言語などコンピュータの内部処理にかかわることを知らなくても、コンピュータを容易に使用することができる。このように現在のヒューマン・インターフェース技術は、コンピュータのユーザー数を一挙に増大させた重要な基本技術であり、もしその発達がなければ、たとえコンピュータがいくら安くなっても、これだけ多数のユーザーを呼び寄せることはなかったであろう。インターネットがかくも普及したのも、代表的な情報システムであるWWWにおいてヒューマン・インターフェースに優れたブラウザー(情報閲覧ソフト)が現れたからであり、そのおかげでユーザーはマウスのクリック一つで世界中の情報に容易にアクセスできるようになった。今後のヒューマン・インターフェースはさらに発展を続け、手書き文字や音声による入力はもとより、仮想現実感を与えるバーチャルリアリティ技術などが実用的に取り入れられるようになるかもしれない。あるいはコンピュータは直接ユーザーの目に触れることなく、コンピュータを意識せずに外界を操作し外界の情報にアクセスできる仕組みがつくりあげられるかもしれない。いずれにせよ、現在のGUIを基本とするヒューマン・インターフェースはさらに変革される可能性を残しているといえよう。
[田村浩一郎]
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