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ヒユ Amaranthus inamoenus; amaranth

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヒユ
Amaranthus inamoenus; amaranth

ヒユ科の一年草ヒョウまたはヒョウナともいう。インド原産といわれ,マレー半島や中国では野菜として広く栽培される。日本にも古くから伝わり,山間の人家などで栽培されていたことがあるが,近時はあまりみられない。茎は直立して上部でまばらに分枝し,無毛,またはときに軟毛が散生し,緑色または褐色を帯びて高さ 1.5mにもなる。葉は長い柄をもつ菱状卵形で開出してつく。葉の色も緑色のもののほか,紫色,紅色のものもあり観賞価値のある品種もある。夏から秋にかけて,茎頂や上部の葉腋に白緑色の小花が球状に集り,茎頂ではさらに長い穂を形成する。花被片は3枚。種子は楕円形または円形で,黒色で光沢がある。

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百科事典マイペディアの解説

ヒユ

ヒョウとも。ヒユ科の一年草。インド原産といわれ,若葉を食べるため,まれに暖地の畑に植えられ,ときに野生化している。茎は直立し,少し分枝して,高さ1m内外,柄の長い,菱形(ひしがた)状卵形の葉を互生する。

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世界大百科事典 第2版の解説

ヒユ【Ganges amaranth】

薬用または観賞用に栽培される,インド地方原産のヒユ科の一年草(イラスト)。葉に紅色や黄色などの美しい色彩をもつ変異型がある。種小名tricolor(3色の)はこのような変異にちなんだものである。茎は高さ80~170cm,無毛。葉はひし形またはひし形状卵形で長さ4~12cm,長い葉柄がある。花は日本では8~10月,頂生および腋生(えきせい)の穂状花序につく。頂生の花序は長く伸び,枝分れしない。花は単性花で,雌雄同株。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヒユ
ひゆ /
[学]Amaranthus tricolor L. subsp. mangostanus (L.) Aellen

ヒユ科の一年草。毛はなく、茎は直立し、高さ約1メートル。葉は菱(ひし)状の卵形で緑色、長さ約10センチメートルになる。花期は8~10月。頂生する花序は穂状であるが、腋生(えきせい)の花序は球形。花被(かひ)は目だたず、普通は3枚。包葉の先は毛状。ハゲイトウは本種から改良されたもので、花序は頂生しない。野菜のバイアム(ヒユナ)は葉が長さ20センチメートルになり、柔らかく、病害虫に強い。ヒユ属は世界に約60種知られ、日本にも10種余りが野生する。アオビユは包葉の先が刺(とげ)状で、ヒユと並ぶ史前帰化植物である。他種の多くは明治以降の帰化植物で、ハリビユは葉腋に一対の刺があり、ハイビユは地面をはう。ヒユ属とケイトウ属はよく似ているが、ヒユ属は胚珠(はいしゅ)が1個、ケイトウ属Celosiaは2~8個ある点で区別される。ヒユ属でもケイトウの名がつく種類がある。それらは花被と雄しべが5個で、ヒユ類は3個である。アオゲイトウは茎に毛があり、花序は短い。ヒモゲイトウは花序が紅色で、1メートルも垂下する。観賞するほか穀物として扱われ、センニンコクの名がある。スギモリゲイトウは花序が分枝し、大きく、普通、黄色を帯びる。[湯浅浩史]

文化史

ヒモゲイトウはアンデス、スギモリゲイトウはメキシコで、有史前から栽培され、種子を穀物として食べた。メキシコのテワカン洞窟(どうくつ)から紀元前7000~前5000年のヒユ属が出土している。スペイン侵入前は、メキシコの主食の一つであった。現在もヒマラヤから中国西部の山地で栽培される。野菜としてのヒユは古代のギリシアで栽培が始まり、テオフラストスはイヌビユをキュウリと同じく、4月に種子を播(ま)いて育てる夏野菜に分類した(『植物の調査』)。中国でも古くから食用にされ(『斉民(せいみん)要術』)、日本では10世紀の『和名抄(わみょうしょう)』に野菜(当時は野の菜の意味)として名があげられている。江戸時代は広く栽培された。[湯浅浩史]

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