世界大百科事典 第2版 「ヒルティウス」の意味・わかりやすい解説
ヒルティウス【Aulus Hirtius】
前1世紀のローマの政治家。カエサルの部下で前54年ころからガリア遠征中のカエサルと行動をともにし,下士官もしくは秘書長として彼に仕えた。カエサルの《ガリア戦記》のうち最後の第8巻はヒルティウスの筆になるもので,おもにこのことによって後世に名を残した。内乱勃発後もカエサルとともにスペインやギリシアに赴いた。前46年に法務官,前45年にガリア総督を歴任し,前43年には執政官に就任したが,この年アントニウス派との抗争で北イタリアのムティナで戦死した。
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