ヒルトン(英語表記)James Hilton

デジタル大辞泉 「ヒルトン」の意味・読み・例文・類語

ヒルトン(James Hilton)

[1900~1954]英国小説家。のち、米国帰化。独特のユーモアペーソスで知られる。作「チップス先生さようなら」など。

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改訂新版 世界大百科事典 「ヒルトン」の意味・わかりやすい解説

ヒルトン
James Hilton
生没年:1900-54

イギリスの小説家。ケンブリッジ大学在学中から文筆従事不老不死秘境シャングリラ〉を舞台にした《失われた地平線》(1933)でホーソーンデン賞受賞。イギリスの老校長が波乱の多かった生涯を回想する《チップス先生,さようなら》(1934)をアメリカで出版,流行作家となる。《鎧なき騎士》(1933),《ひとりではない》(1934),《世にもふしぎな》(1947),《朝の旅》(1951)などの作品は,冒険感傷ヒューマニズムに富んでおり,その多くが映画化されている。1935年アメリカに移住し,カリフォルニアで死去した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒルトン」の意味・わかりやすい解説

ヒルトン
Hilton, James

[生]1900.9.9. ランカシャーリー
[没]1954.12.20. カリフォルニア,ロングビーチ
イギリスの小説家。ケンブリッジ大学に学ぶ。理想郷「シャングリラ」を舞台にした『失われた地平線』 Lost Horizon (1933) で認められ,『チップス先生さようなら』 Goodbye,Mr.Chips (1934) で大好評を博し,ともに映画化された。ほかに『よろいなき騎士』 Knight Without Armour (1933) ,『心の旅路』 Random Harvest (1941) など。

ヒルトン
Hilton, Conrad Nicholson

[生]1887.12.25. ニューメキシコ,サンアントニオ
[没]1979.1.3. カリフォルニア,サンタモニカ
世界最大のホテル・チェーンの創設者。鉱山学校を卒業したのち,行商人相手のホテルと雑貨店を営んでいた父親の事業に参加,父の死後これを積極的に拡大し,主としてテキサス州のホテルを買収,その後カリフォルニア,シカゴ,ニューヨークに進出した。 1946年ヒルトン・ホテルズ社設立,国内ばかりではなく海外にも積極的にホテル・チェーンを拡大し,90年代の初めにはヒルトンの名を冠したホテルは全世界に約 250を数えるまでに発展した。

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百科事典マイペディア 「ヒルトン」の意味・わかりやすい解説

ヒルトン

英国の小説家。1935年以後米国に住んだ。代表作は《失われた地平線》(1933年),《チップス先生,さようなら》(1934年)など。ユーモアと感傷にいろどられた作風は広く支持され,映画化された作品も多い。

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世界大百科事典(旧版)内のヒルトンの言及

【楽園】より

…それは人知れぬ渓流をさかのぼったところに隠された常春の秘境である。またより近くはJ.ヒルトン作《失われた地平線》(1933)の舞台とされたシャングリラShangri‐Laがある(シャンバラ伝説)。チベット語で〈肉切包丁の峠道〉を意味するというが,ここは険阻な細い峠道をたどってようやく到達できる秘境であった。…

※「ヒルトン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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