不老不死(読み)ふろうふし(英語表記)bu-lao bu-si

  • ふろうふし フラウ‥
  • ふろうふし〔フラウ〕

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

これは人類の普遍的願望であるが,霊魂の不滅を唱えたキリスト教に対し,中国人はこの世での生命体の不死を問題とした。そこから俗世を超越した仙人 (神仙) の像が描出され,仙人になるために各種の修行法が案出された。その方法には大別して,(1) 特殊な呼吸法や体操によって肉体を鍛える,(2) 仙薬 () を服する,の2方法があった。 (2) の方法は,節制や鍛練などの修業を実行できない王侯貴族が愛用した。の太宗 (2代) ,高宗 (3代) ,敬宗 (13代) ,武宗 (15代) らは金や水銀ヒ素などからつくった丹薬を用いて中毒死したという。しかし,不老不死の追求は化学や宗教を発達させ,種々の養生法や漢方薬の発想や技術の発展を促した。

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世界大百科事典 第2版の解説

長生つまり肉体の永存をいう。いつまでも若く永遠に生きたいという人間の根源的な願望は,中国では神仙道教教義に結実した。古代的不老不死の観念を,(1)若さを保ったまま永生を得る,(2)いったん死んでからよみがえる,という二つの型に分けるとすれば,処女のような肌をした藐姑射(はこや)の仙人や白日天(ある日突然身体が軽くなって昇仙する)などは前者であり,尸解(しかい)(みせかけの死のあと棺中に剣やを残して仙人の仲間入りをする)などは後者に属する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

人間とは別な世界に住む、人間界を超越した者の特性として考えられる、若さの永続と生命の永遠をいう。これを願うことは人類に普遍的であり、神(かみ)の国(くに)、浄土(じょうど)世界、天国(てんごく)など、宗教や信仰によって相違はあるが、別な世界を表している。中国では、『史記』に秦(しん)の始皇帝(しこうてい)(前259―前210)が不死の薬を求めた話があり、戦国時代から不死の観念があったと思われる。道家(どうか)の養生(ようせい)の説には不老長寿を実現するための方法が述べられ、六朝(りくちょう)時代になると、葛洪(かっこう)によって、服薬(ふくやく)、辟穀(へきこく)、導引(どういん)など不老不死を得るための具体的方法が説かれ、不老不死は道教の重要な思想的要素となった。その方法が現代において健康法に活用されているものもある。また不老不死を主題にした文学作品も数多くある。[今枝二郎]
『『神僊思想の研究』(『津田左右吉全集10 日本文芸の研究』所収・1964・岩波書店)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

〙 いつまでも年をとらず、また死なないこと。
梁塵秘抄(1179頃)二「法華経なりとぞ説いたまふ、ふらうふしの薬王は」 〔列子‐湯問〕

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