メキシコ州(読み)メキシコ(その他表記)Mexico

翻訳|Mexico

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メキシコ州」の意味・わかりやすい解説

メキシコ〔州〕
メキシコ
Mexico

スペイン語ではメヒコ México。メキシコ中部内陸の州。州都トルカ。メキシコ高原南部から同高原の南縁をなす火山帯にかけて,連邦区 (首都地域) を3方から囲む形で位置する。平均標高 3000m以上で,東のプエブラ州との州境にはイスタシワトル,ポポカテペトルなど 5000m級の火山がそびえる。北部の大部分はメキシコ盆地,あるいはアナワクと呼ばれる高原盆地で,かつては多数の湖があったが,現在は大部分が排水され,わずかに小さな湖沼湿原が残っているにすぎない。気候は概して涼しく快適で,また火山性の肥沃な土壌と適度な降水に恵まれるため,古くから人口が集中した地域で,現在も連邦区に次ぐ高い人口密度をもつ。主産業は農業,鉱工業。主要作物はトウモロコシを中心とした穀物,マゲイ (リュウゼツランの一種で,その液からプルケと呼ばれる酒を醸造) ,コーヒー,サトウキビ果樹など。牧畜も盛ん。近年鉱業生産は減少してきているが,工業は急速に発展し,農産物加工のほか,自動車組立て,アルミニウム加工,製鉄製鋼などの重工業も連邦区との隣接地域を中心に立地する。州内にはインディオ遺跡多く,特にメキシコ市北北西約 10kmのトラルネパントラ近くにあるテナユカ遺跡,同じく北東約 50kmにある広大なテオティワカン遺跡などは有名。面積2万 1355km2。人口 981万 5901 (1990推計) 。

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