ビハール(英語表記)Bihar

大辞林 第三版の解説

インド北東部の州。仏教・ジャイナ教の発祥地。北部のガンジス川中流域は米作地帯、南部のダモダル川河谷は鉄・石炭・ボーキサイトなどの鉱産に恵まれ、同国有数の鉄鋼業地域。州都パトナ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

インド北東部の。北はネパール、東は西ベンガル州、西はウッタル・プラデシュ州とマディヤ・プラデシュ州、南はジャールカンド州と接する。面積9万4163平方キロメートル。人口は8287万8796(2001)と全国の州のなかで第3位、人口密度が高い。州都はガンジス川沿岸のパトナ。公用語はヒンディー語である。北部はガンジス川中流部にあたり、ヒマラヤ山脈から流出するコシ川、ガンダク川の扇状地をあわせて肥沃(ひよく)な平原地帯が広がり、農業地域となっている。南部は開析の進んだチョタ・ナーグプル高原が位置し、森林地帯が広がる。年降水量は、平原西部が1000ミリメートル、東部が1800ミリメートルで、夏のモンスーン季に大半が降る。気温は冬季は15℃前後であるが、夏には35℃を超える。南部の高原地域ではそれよりやや低く、降水量も多い。農業は平原地域が中心で、米作がとくに盛んである。ほかに小麦、豆類、サトウキビ、ジュートなどが栽培されるが、西部では、キビ類、小麦の比重が大きい。ソン川下流部には大規模な灌漑(かんがい)水路が建設されている。南部の高原地域は畑作が一般的で、キビ類、豆類が栽培されるが生産性は低い。インドでもっとも地下資源に恵まれた州で、ジャーリア炭田をはじめシンブーム県の鉄鉱石、銅、パラマウ県のボーキサイトなどがある。こうした資源に支えられて、南部のチョタ・ナーグプル高原やダモダル川流域に重工業地帯が形成されている。タタ財閥の製鉄所、機械工場のあるジャムシェドプル、機械・化学工業のランチ、鉄鋼のボカロ、肥料のシンドリ、セメント工業のカラリなどが代表的な鉱工業都市である。2000年11月、南部をジャールカンド州として分離している。[林 正久]

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精選版 日本国語大辞典の解説

(Bihar) インド東部の州。ガンジス川の中・下流域のヒンドスタン平野とその南側のチョタナグプル山地からなる。州域は前六世紀に栄えたマガダ国の領域とほぼ同じで、のち、マウリヤ・グプタ両国が栄えた。仏教の発祥地。平野部は穀倉地帯、山地部は地下資源が豊富で、南部のランチー付近は重工業地帯。州都パトナ。

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