フィッツナー

百科事典マイペディア 「フィッツナー」の意味・わかりやすい解説

フィッツナー

ドイツ作曲家,指揮者。プフィッツナーともいう。ドイツ人を両親にモスクワに生まれ,1872年ドイツに帰国。フランクフルトのホーホ音楽院で作曲を学び,1895年最初のオペラ《あわれなハインリヒ》を発表。ベルリンミュンヘンで指揮者,教育者として活動後,1908年−1918年シュトラスブルク(現ストラスブール)で音楽院院長,音楽監督などを務めた。第1次世界大戦後は再びベルリン,ミュンヘンで教育者として活動。代表作のオペラ《パレストリーナ》(1910年−1915年,ミュンヘンでB.ワルターの指揮により初演)はルネサンス音楽の巨匠パレストリーナの人間像に託して自らの芸術家としての信念を語った作品として知られ,T.マンらの称賛を得た。作風ブラームス,R.ワーグナーなどドイツ・ロマン派の様式継ぎ,〈最後のロマン主義者〉と呼ばれている。ほかに歌曲,管弦楽曲,協奏曲,室内楽曲など。→楽劇

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世界大百科事典 第2版 「フィッツナー」の意味・わかりやすい解説

フィッツナー【Hans Pfitzner】

1869‐1949
ドイツの作曲家,指揮者。フランクフルトの音楽院でピアノと作曲を学んだ後,ベルリン,ミュンヘンで指揮者,教育者として活動。1908年よりシュトラスブルク(現,ストラスブール)で音楽院院長と音楽監督を務め,10年同市歌劇場監督に就任,20年以後は再びベルリン,ミュンヘンで教育活動に従事した。彼の様式はシューマン,ワーグナーなどを基盤としており,〈最後のロマン主義者〉と呼ばれている。代表作にオペラ《パレストリーナ》(1915),同《心》(1931),カンタータ《ドイツの魂について》(1921)がある。

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