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楽劇 がくげきMusikdrama

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

楽劇
がくげき
Musikdrama

ワーグナーによって創始されたオペラ様式ギリシア悲劇への復帰を理念とし,神話,伝説に題材を求め,言葉,音楽,身ぶりの融合によって総合的な劇作品を作ろうとするもので,ライトモチーフ無限旋律などの技法特色とする。

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デジタル大辞泉の解説

がく‐げき【楽劇】

《〈ドイツ〉Musikdramaワグナーの創始したオペラの一形式。従来のアリア偏重主義を排し、音楽と劇内容との一体化を図ったもの。

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百科事典マイペディアの解説

楽劇【がくげき】

オペラの一様式。ドイツ語Musikdramaの訳。R.ワーグナーが唱道した音楽,文学,舞踊,造形芸術などの総合としての全体芸術作品。従来のアリアをつないだオペラではなく,1幕ないし1場を通じて音楽が途切れることなく続く〈無限旋律〉を底流に,言語的表現力をもつライトモティーフが用いられた。
→関連項目ニーベルングの指環ハンスリックベルディリヒター

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世界大百科事典 第2版の解説

がくげき【楽劇 Musikdrama[ドイツ]】

オペラの一種。特に19世紀後半のドイツにおけるR.ワーグナーとその後継者の作品をさす。オペラとの相違は明確でないが,楽劇は従来のオペラに対する創作理念上の反省とその実践としての意味を持つ。劇と音楽との高次の一体化を志向する点で18世紀のグルックによるオペラ改革とも比べられるが,ワーグナーはより明確な美学的・理論的基礎付けをもって,音楽が劇よりも重視されていた従来のオペラを批判し,劇こそが究極の表現目的であり,音楽,文学,舞踊,絵画,建築などあらゆる種類の芸術が劇的な表現目的のために統一,融合されるべきであると説く〈総合芸術論〉を主張した(論文《未来の芸術作品》1849)。

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大辞林 第三版の解説

がくげき【楽劇】

ワーグナーが創始したオペラの一形式。旧来のアリア偏重のオペラに対して、音楽と劇の進行を緊密にし、融合を図ったもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

楽劇
がくげき
Musikdramaドイツ語

詩と音楽の統一体としてのオペラを意味する概念で、音楽が間奏曲として副次的にのみ用いられる「音楽劇」Das musikalisches Dramaとは区別される。楽劇の概念は、19世紀ドイツの美学者テオドール・ムントの『批評の森』(1833)に初めて登場する。オペラにおける詩と音楽の統一は、すでに創始期におけるフィレンツェの文人グループ、カメラータCamerata(仲間の意)の人々、さらにはモンテベルディやグルックにおいても認められる思想であるが、それを『オペラとドラマ』(1851)などの著作で理論的に追究し、実践的に貫徹しえたのはリヒャルト・ワーグナーにほかならない。
 ただし彼自身は、音楽劇との混同を避けるために、楽劇という名称は否定し、新たに「全体芸術作品」Gesamtkunstwerkという概念を提唱した。これは諸芸術の寄せ集めではなく、本来一つであった諸芸術を「ドラマ」の実現のために統合しようという思想である。したがってワーグナーは自作品の表題にも楽劇の名称は用いていないが、一般には『ラインの黄金』(1854)以降の作品が楽劇とよばれている。伝統的な番号オペラにおけるレチタティーボとアリア(叙唱と詠唱)の区分は放棄され、「無限旋律」が、「ライトモチーフ」によって規定されたオーケストラにのって有機的発展を遂げる独自の様式がそれであり、規則的な楽段(大楽節)構造のないこの様式は、「散文音楽」musikalische Prosaともよばれる。
 ワーグナーの影響の強いペーター・コルネリウスPeter Cornelius(1824―74)、R・シュトラウス、プフィツナーらのオペラも楽劇の名でよばれている。[樋口隆一]
『渡辺護著『リヒャルト・ワーグナーの芸術』新版(1987・音楽之友社) ▽C・ダールハウス著、好村富士彦・小田智敏訳『リヒャルト・ワーグナーの楽劇』(1995・音楽之友社)』

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世界大百科事典内の楽劇の言及

【ロマン派音楽】より

…こういうロマン的ベートーベン像が生きていた当時には,シューマンなどの世代は〈新ロマン主義者Neuromantiker〉と呼ばれもした。この言葉は現在はほとんど用いられないが,19世紀中葉以後に台頭した,リスト,ワーグナーを中心とする交響詩・楽劇への運動を〈新ドイツ楽派Neudeutsche Suhule〉の名で呼ぶことは今日もよくなされる。こういう標題音楽的傾向は,交響曲に代表される器楽の純粋な表現性を守るメンデルスゾーン,シューマンの行き方に対して,世紀後半には優勢になっていった。…

※「楽劇」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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