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フィネガンズ・ウェーク フィネガンズ・ウェークFinnegans Wake

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

フィネガンズ・ウェーク
フィネガンズ・ウェーク
Finnegans Wake

アイルランドの小説家 J.ジョイスの小説。 1924年から断片的に発表されていたが,39年にこの題名のもとに刊行された。通夜 (ウェーク) の最中に死者フィネガンがウイスキーによって蘇生した,という古謡を下敷きにしたもので,ダブリン居酒屋の主人 H.C.イアリッカーの一夜の夢を扱う。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フィネガンズ・ウェーク
ふぃねがんずうぇーく
Finnegans Wake

アイルランドの作家ジェームズジョイス長編小説。1939年刊。23年に着手し、翌年から「進行中の作品」の題で、『トランスアトランティック・レビュー』などの雑誌に分載。また一方、『アナ・リビア・プルーラベル』Anna Livia Plurabelle(1928)など5冊の冊子としても刊行された。ジョイスは全編を英語を中心に多国語を合成した新造語を用いて書き、ダブリンの居酒屋(パブ)の主人H・C・イアリッカーの泥酔した一夜の夢のなかに、宇宙の創成、人類の失楽と再生の歴史を封じ込めようと試みている。このなかでは、言語の解体と再構成にあわせて、主人公のほか、妻のアナ・リビア、双子(ふたご)の息子シェムとショーンなどの登場人物が神話・伝説上の人物に変身するのみか、山、河など宇宙の森羅万象に変幻融合し、属性を互いに交換する。構造の枠組みとしては、イタリアの哲学者ビコ(ヴィーコ)の循環史観、ブルーノの宇宙哲学、アイルランドの彩色古文書『ケルズ書』のアラベスク様式などがあり、19世紀の直線状の歴史観に対する壮大な挑戦となっている。このことは、冒頭が小文字riverrunに始まり、末尾がtheでピリオドなしで終わるという書き方にも現れている。表題はアイルランド民謡の『フィネガンの通夜』がいちおうの下敷きになっているが、「終わりふたたび」(Fin Again)など多様の読み方があり、作品の多層な主題を支えている。[出淵 博]
『柳瀬尚紀訳『フィネガンズ・ウェィク1・2、3・4』(1991,93・河出書房新社)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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