日本大百科全書(ニッポニカ) 「パブ」の意味・わかりやすい解説
パブ
ぱぶ
pub
パブリック・ハウスpublic houseの略。本来、宿屋、ホテルの意味であったが、居酒屋や酒場をさすようになった。イギリスでは元来、宿屋innと居酒屋tavernとは別のものであったが、交通が未発達の時代には、旅行者のために食事や酒とともにベッドを提供する店が必要であったため、至る所に宿屋と居酒屋を兼ねる店ができた。これがパブリック・ハウスの起源であるが、17世紀になると、パブは、コーヒーと酒、とくにビールやワインを売る店をさすようになった。その後、高級な酒場はsaloon, saloon barとよばれ、パブは大衆向けの酒場を意味するようになった。同一の店で、パブとサルーンの二つの入口をもつものもある。日本のパブは1960年(昭和35)前後から流行し始め、バーとレストランがいっしょになったものである。
[村田仁代]