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フェアトレード fair trade

翻訳|fair trade

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

フェアトレード
fair trade

伝統的な手工芸品や農産物を公正な価格で取り引きし,企業や地主などから不当な搾取を受けている発展途上国の人々の経済的・社会的な自立を支援する運動。「公平な貿易」と訳され,オルタナティブ・トレード (もう一つのかたちの貿易) とも呼ばれる。寄付や援助とは異なり,公平な取引条件のもと,生産者と買い手の対等な協力関係が築かれる。 1960年代,国際市場価格より高めに設定した価格で取り引きし生産者の自立を支援するという,人道的側面が強い社会運動がヨーロッパで起こったのが始まりといわれる。自然素材や無農薬といった環境に配慮した製品が扱われ,欧米での認知度は非常に高い。世界 55ヵ国,200団体で組織する国際フェアトレード連盟 IFATの規約では,事業の透明性,倫理性,生産者や環境への配慮,児童労働と搾取の禁止,文化的背景の尊重,などを定めている。非政府組織 NGOや民間非営利団体 NPOが買い手となり,必要に応じて代金を前払いし,安定した発注で生産者を支援する。また,生産地で豊富にとれる原料や伝統的な技術をいかしながら,消費者に受け入れられる商品を開発するため,デザインのアドバイスやマーケティング情報を提供する。消費者には,だれがどのようにつくったのかという情報を伝え,消費者の声を生産者に直接フィードバックする役割も果たす。欧米では近年,企業や学校,政府関連施設や病院などのオフィスで消費するコーヒーや紅茶を,フェアトレード製品にすることが大きな流れとなっている。

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知恵蔵の解説

フェアトレード

コーヒーなどの換金作物や伝統的な技術で生産された途上国の産品を、生産者から直接、適正な価格で購入し、先進国市場で販売する仕組みのこと。もともとは1960年代に欧州で始まった。途上国でフェアトレード(FT)製品を生産している団体はほとんどが非営利で、より多くの賃金を生産者に払うことで人々が貧困より抜け出せることを意図している。与えられるだけの援助とは異なり、自らより良い製品を開発して販売するといったように、途上国生産者の自立を支援するという側面が強い。また、環境や労働条件にも配慮し、環境破壊をしない持続的な生産技術や原料を使うことを原則としている。97年に発足した国際フェアトレードラベル機構は、フェアトレードの国際規格を策定し、生産業者や販売業者を認証している。フェアトレード設定商品は、コーヒーを始めココア、茶、米、砂糖、バナナ、マンゴー、パイナップル、ブドウなどに広がっている。

(永田雅啓 埼玉大学教授 / 松尾寛 (株)三井物産戦略研究所副所長 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

フェアトレード

途上国産の原料や製品を適正価格で取引し、搾取されがちな生産者の自立や生活改善を図る考え方。1960年代ごろ欧米を中心に広がった。世界フェアトレード機関(WFTO)や国際フェアトレードラベル機構(FLO)が団体や製品を認証する。フェアトレード・ラベル・ジャパン(東京)によると、日本でFT認証製品・原料の輸入などに携わる団体は2012年3月末時点で151あり、市場規模は同年で推定72億8800万円になるという。

(2014-08-19 朝日新聞 夕刊 1総合)

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デジタル大辞泉の解説

フェア‐トレード(fair trade)

公正貿易。途上国の生産者に公正な賃金や労働条件を保証した価格で商品を購入することで、途上国の自立や環境保全を支援する国際協力の新しい形態。

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百科事典マイペディアの解説

フェアトレード

発展途上国の農産物や雑貨などを,適正な価格で継続的に輸入・消費する取り組み。低賃金など劣悪な労働条件を強いられる途上国で公正な雇用を創出し,途上国の貧困解消や経済的自立を促すねらいがある。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

大辞林 第三版の解説

フェアトレード【fair trade】

発展途上国の生産物を、その生産者の生活を支援するため、利潤を抑えた適正な価格で、生産者から直接購入すること。労働条件や環境保護などにも配慮して行われる。オルタナティブ-トレード。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フェアトレード
ふぇあとれーど
fair trade

発展途上国の農産物や雑貨などを、適正な価格で継続的に輸入・消費する取り組み。低賃金労働を強いられる傾向のある途上国で雇用を創出し、途上国の貧困解消や経済的自立を促すねらいがある。日本では「公正な貿易」「オルタナティブ・トレード」などともよばれる。
 第二次世界大戦後、東欧諸国の経済支援を目的に西ヨーロッパで始まったとされる。1960年代に入ると、イギリスに「トレードクラフト」、ドイツに「ゲバ」といった民間フェアトレード専門団体が誕生し、アフリカ・アジア諸国への支援が本格的に始まった。世界フェアトレード機関World Fair Trade Organizationなど数多くの国際団体も発足し、団体や商品への認証制度もスタートした。社会的貢献活動の一環として、フェアトレードに積極的に協力する企業も出ている。
 日本では1986年(昭和61)に、プレス・オールターナティブ・グループが「第3世界ショップ」を設立し途上国の民芸品や食品を輸入する活動を開始した。これを契機に生活協同組合や環境団体などを中心にフェアトレードが広がった。欧米のフェアトレードがコーヒー豆など食品や原材料を中心に発展してきたのに対し、日本では衣料品や雑貨の比率が高く、加工工程を必要とする分、経済支援効果が大きいとみられている。ただ国民生活白書によると、2007年(平成19)の日本の認定フェアトレード製品の売上高は10億円と、アメリカ(1178億円)やイギリス(1136億円)を大きく下回る。フェアトレードの普及は、WTO(世界貿易機関)を中心とする貿易自由化の流れに取り込まれた発展途上国や最貧国を、市民など草の根のレベルで支援するという側面もある。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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