フェーリング(読み)ふぇーりんぐ(その他表記)Hermann von Fehling

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フェーリング」の意味・わかりやすい解説

フェーリング
ふぇーりんぐ
Hermann von Fehling
(1812―1885)

ドイツの化学者。1848年糖類検出定量に用いられるフェーリング液をつくったことで知られる。リューベックに生まれ、ハイデルベルク大学グメーリンに学んだのち、ギーセン大学に移り、リービヒのもとでアルデヒド重合体、ベンゼンスルホン酸塩の組成などを研究した。1839年リービヒの推薦によってシュトゥットガルト工科大学教授となり、1883年まで在職した。1844年ベンゾニトリルを発見、またコハク酸誘導体を研究した。のちには教科書や便覧薬局方編纂(へんさん)に携わり、産業技術や公衆衛生上の諸問題にかかわった。

[内田正夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「フェーリング」の解説

フェーリング
フェーリング
Fehling, Hermann von

ドイツの化学者.ハイデルベルク大学で学び,のちにギーセン大学でJ. Liebig(リービッヒ)に師事し,L. Gmelin(グメリン)のもとで博士号を取得.1839~1882年シュツットガルト工科大学教授となる.Liebigとともにメタアルデヒドパラアルデヒドの組成を決定した.そのほかベンゾニトリルを合成した.糖類が銅(Ⅱ)塩を還元することを発見(1849年)して,糖の定性・定量分析基礎を築いた.[別用語参照]フェーリング液

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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