日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
フッカー(Richard Hooker)
ふっかー
Richard Hooker
(1553/1554―1600)
イギリスの神学者。オックスフォード大学コーパス・クリスティ・カレッジを卒業後、1577年同カレッジのフェローとなる。1585年ピューリタンの対立候補を抑えてテンプル教会の牧師(マスター)に選任された。1591年にその職を離れてのち、イギリス国教会を擁護する『教会統治法論』8巻の著述に専念し、1600年11月2日カンタベリー近郊で没した。『教会統治法論』はピューリタニズムとカトリシズムに対抗して、国教会の正統性を、聖書、キリスト教会の伝統、理性に基づいて主張したものだが、そこに集成された当時の自然法論と立憲的政治論は、ロックらに影響を与え、思想史上重要な位置を占めている。また散文としての評価も高い。
[金井和子]
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