日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブーメディエン」の意味・わかりやすい解説
ブーメディエン
ぶーめでぃえん
Houari Boumedienne
(1932?―1978)
アルジェリアの政治家。東アルジェリアの町ゲルマの近くに生まれ、チュニスとカイロに留学。西アルジェリアのオラン地方で反フランス軍事作戦に参加し、1957年に同地方の民族解放軍ALNの司令官(大佐)に昇進、1960年には参謀長に就任した。1962年7月の独立後に成立したベンベラ政権の国防相を務めたが、1965年6月のクーデターでベンベラ政権を倒した。以来軍を背景に国政の実権を掌握し、国内的には国家機構を整備して一連の社会主義政策(具体的には国有化と工業化)を実施するとともに、国際的には非同盟主義外交と新国際経済秩序形成のための第三世界外交を進めた。1976年に憲法を制定し、大統領に選出されたが、1978年12月に病死。
[宮治一雄]