ヘビーメタル(読み)へびーめたる(英語表記)heavy metal

翻訳|heavy metal

デジタル大辞泉 「ヘビーメタル」の意味・読み・例文・類語

ヘビー‐メタル(heavy metal)

1980年代に起こったハードロックの一スタイル。名称は、リズムセクションに金属的な電子音を用いることに由来。ヘビメタ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ヘビーメタル」の意味・読み・例文・類語

ヘビー‐メタル

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] heavy metal ) ロックミュージックのスタイルの一つ。一九八〇年代に流行。一九七〇年代のハード・ロック様式化したもので、エレキギターの極度に金属的な音、絶叫するような声によるボーカルなどが特徴。ヘビメタ。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘビーメタル」の意味・わかりやすい解説

ヘビー・メタル
へびーめたる
heavy metal

1970年代のハード・ロックをより重厚かつ荘厳、激しくスピーディーなサウンドとして継承したロックの一ジャンル。音色を歪ませた残響の長いギター・サウンド、重厚なリフレイン(楽曲を構成する基本フレーズ)とパワフルなドラムスが特徴で、しばしば大げさな様式性を示す。

 ヘビー・メタルという言葉を文学表現で最初に使ったのは、ビート世代の作家ウィリアム・バローズであるとされているが、ロック・ミュージックの一ジャンルの呼び名として用いられたのは、ブルー・オイスターカルトという、主に70年代中期に活躍したニューヨークグループについてのものが最初であった。彼らやブラック・サバスが打ち出した、悪魔崇拝やホラーオカルトのイメージを、金属的で重厚なハード・ロックで展開するグループを指すジャンルとして、ヘビー・メタルは定着していく。

 70年代末には、当時隆盛を極めたパンク・ロックの影響を受け、より攻撃性とスピード感を増したヘビー・メタルのグループがイギリスを中心に多数出現した。このヘビー・メタル流行はNWOBHM(New Wave of British Heavy Metal)と呼ばれ、アイアン・メイデンやジューダス・プリースト、デフ・レパードらが人気を博した。80年代のアメリカでもヘビー・メタルは人気を呼び、またイングウェイ・マルムスティーンYngwie J. Malmsteen(1963― )やジョー・サトリアーニJoe Satriani(1956― )といったギター・ヒーローはギター少年たちのアイドルとなる。ヘビー・メタルはスタジアム・コンサートに数万人の観客を集めるまでに巨大産業化した。メタリカがノイジーなまでに激しく強烈なスピードを特徴とするスラッシュ・メタルを生んだ80年代後期には、デス・メタル(スラッシュ・メタルと対極的に、極度に遅いテンポで押し殺したような陰鬱なサウンドを特徴とするヘビー・メタル)、ドゥーム・メタル(絶叫調のボーカルとノイジーなサウンドで死や悪魔的イメージを描くヘビー・メタル)など多くのサブジャンルが生じた。これらのサブジャンルはヘビー・メタルの方向性をそれぞれによりいっそう追求したものだったが、一般に受け入れられるには過激すぎた。

 90年代に入ると、グランジ/オルタナティブの流行によって、ヘビー・メタルの隆盛にも陰りが見られるようになる。その後一部の正統的グループ以外のヘビー・メタル・グループは、アンダーグラウンドなロック・シーンへと沈潜し、かつて固守していた様式性を放棄してパンクやグランジ、インダストリアルなどの他ジャンルと混淆(こんこう)を深めている。

[増田 聡]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ヘビーメタル」の意味・わかりやすい解説

ヘビーメタル

1980年代以降定着したロックのジャンル。1970年代末,パンク衰退後の英国で,レッド・ツェッペリンなどの〈ハード・ロック〉を受け継ぐ形で登場した。速いビートと金属的なギターの奏法,叫ぶようなボーカルが特徴。そのいでたちが一見して暴力的で,また悪魔崇拝などを演出するバンドも現れて社会問題化することもあったが,根強い固定ファン層をもつ。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘビーメタル」の意味・わかりやすい解説

ヘビー・メタル
heavy metal rock

ヘビ・メタとも略される。ロック音楽の一傾向で,ハード・ロックの流れをくみ,大音響のギターや絶叫を伴うボーカルで,過激な表現を行なうもの。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉プラス 「ヘビーメタル」の解説

ヘビーメタル

日本のテレビアニメ『重戦機エルガイム』(1984-1985)に登場する架空のロボット兵器。光エネルギーを動力源とする。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のヘビーメタルの言及

【ロック】より

…強烈なビート,最大限に音量を増幅したエレクトリック・ギター,金切り声のボーカルを特徴とする,最もロックらしいロック。この系統で,様式化した緊張感の演出を極度に推し進めたものを,70年代の終りからヘビー・メタルheavy metalと呼ぶようになり,若年層の人気を集めている。(2)ブルース・ロックblues rock 1960年代なかば,イギリス,アメリカ両方で,本来は黒人音楽だったブルースを,好んで演奏する白人ギタリストが人気を集めた。…

※「ヘビーメタル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android