日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘーゼン」の意味・わかりやすい解説
ヘーゼン(Bruce C. Heezen)
へーぜん
Bruce C. Heezen
(1924―1977)
アメリカの海洋学者。アイオワ州ビントンに生まれる。コロンビア大学で学位を得て、海洋学者のユーイングに師事した。コロンビア大学ラモント(現、ラモント・ドハティ)地質研究所研究員を経て同大学地質学部助教授。1929年の北大西洋北部の地震に伴う海底電線切断事件を、1952年に混濁流との関係で解明し注目された。1961年、海洋底拡大説を提唱し、ヘス、ディーツとともに同理論提唱者の一人とされる。北大西洋のレイキャネス海嶺(かいれい)観測に赴く途中、アメリカの調査研究用原子力潜水艦NR-1号上で病気のため死亡した。主著に『The Face of the Deep』(共著・1971)などがあり、また独特の表現法による海底地形図『The Floor of the Oceans, I : The North Atlantic』(共著・1959)も、この種の図に新機軸を開いたものとして有名である。
[半澤正男]