ベルベリン

化学辞典 第2版 「ベルベリン」の解説

ベルベリン
ベルベリン
berberine

[C20H18NO4](336.37).ウンベラチンともいう.ヒロハヘビノボラズBerberis vulgaris,オウレンCoptis japonicaの根,キハダPhellodendron amurense樹皮,そのほか種々の植物に広く見いだされるアルカロイド.六水和物として結晶し,黄色の針状晶.融点145 ℃.水溶性である.ベルベリンは第四級塩基型(a)とプソイド塩基型(b)との平衡で存在し,種々の反応がこの互変異性で説明される.塩酸塩はきわめて強い苦味を呈し,腸内殺菌剤健胃剤,強精剤として用いられる.[CAS 2086-83-1]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベルベリン」の意味・わかりやすい解説

ベルベリン
berberine

生薬である黄蘗 (おうばく) ,黄連主成分苦みを有し,胃の運動を促進し,唾液胃液分泌を亢進させる作用があるので,苦味健胃剤や整腸剤として使用される。ほかに腸管運動抑制,血圧下降,抗貧血作用,ブドウ球菌赤痢菌の発育阻止作用がある。

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世界大百科事典(旧版)内のベルベリンの言及

【キハダ】より

…【初島 住彦】
[染色]
 古代から樹皮の内皮を染色に用い,またこの粉末は健胃薬としても使われる。薬理作用は主成分の植物塩基ベルベリンberberineであり,染料の黄色色素の成分もこれと同じである。キハダは水溶性多糖類を含み染料助剤となり,タンパク質繊維にも植物繊維にもよく染着する。…

※「ベルベリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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