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ベントン Benton, Thomas Hart

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ベントン
Benton, Thomas Hart

[生]1782.3.14. ノースカロライナ,ヒルズバラ
[没]1858.4.10. ワシントンD.C.
アメリカの政治家。ノースカロライナからテネシー,さらにミズーリに移住して弁護士,『セントルイス・エンクワイア』紙編集者として売出し,西方への膨張,内陸開発,毛皮交易保護,硬貨政策など西部の利害を代弁する政治家として活躍。 1821年から 30年間ミズーリ州選出の連邦上院議員をつとめ,A.ジャクソン大統領の銀行戦などに大きな政治的影響力を及ぼした。南部人で奴隷所有者の彼は南部びいき,奴隷制支持者であったが,同時に西部の立場から奴隷制の拡大には反対した。主著『30年を顧みて』 Thirty Year's View (2巻,1854~56) ,『連邦議会討論集』 Abridgement of the Debates of Congress (16巻,50年代) は当時を知る貴重な史料。

ベントン
Benton, Thomas Hart

[生]1889.4.15. ミズーリ,ネオショ
[没]1975.1.19. ミズーリ,カンザスシティー
アメリカ合衆国の画家,壁画家。政治家の家に生まれ,若い頃から政治漫画を描いていたが,1906~07年にシカゴ美術研究所(→シカゴ美術館),1908~11年にパリのアカデミー・ジュリアンで学び,1912年よりニューヨーク画家として活躍。農民の生活を取り上げて,アメリカ地方主義の代表的画家となる。第1次世界大戦中はアメリカ海軍の従軍画家。1920年代の終わりにニューヨークのアート・スチューデンツ・リーグで教え,生徒にジャクソン・ポロックがいた。1935~41年カンザスシティー美術・デザイン研究所で教え,アメリカ独自の絵画芸術の唱道者となった。『畜牛の船積み』(アンドーバー美術館),『ウェスト・テキサス』(同)が代表作。

ベントン
Benton, William

[生]1900.4.1. ミネソタ,ミネアポリス
[没]1973.3.18. ニューヨーク
アメリカの事業家,政治家,教育家。 1921年エール大学卒業。 29年 C.ボールズとベントン・アンド・ボールズ広告社を設立。 37年シカゴ大学の副総長に就任,43年同大学の『ブリタニカ百科事典』買収計画を実現,以来エンサイクロペディア・ブリタニカ社の取締役会長兼発行人として 30年間その任にあった。 45年大学を辞して H.トルーマン大統領の国務次官補,49年上院議員。この間マッカーシー旋風の最盛時には,J.マッカーシー上院議員の弾劾決議の可決の急先鋒となった。 52年には再選を果さず,教育とエンサイクロペディア・ブリタニカ社の発展に専念。 63年ユネスコ派遣大使。『ブリタニカ百科事典』 15版 (1974) の刊行は彼の発行人としての業績である。主著『ラテンアメリカの声』 The Voice of Latin America (61) 。

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百科事典マイペディアの解説

ベントン

米国の画家。ミズーリ州生れ。シカゴ美術研究所で学んだのちパリに留学,キュビスムなどに関心をもつ。しかし帰国後はリズム感に満ちた形体と強烈な色彩で生活に根ざした風俗画等を描き,ウッドとともに1920年代から1930年代にかけて米国の都市や農村を描いた〈アメリカン・シーン・ペインティングAmerican Scene Painting〉の代表的画家となった。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

ベントン【Thomas Hart Benton】

1889‐1975
1930年代アメリカのリージョナリズムRegionalism(地方主義)の代表的画家。ミズーリ州ニオーショ生れ。シカゴで学んだのち,パリでキュビスムやシンクロミズムに一時興味をもったが,間もなくミケランジェロ,エル・グレコにひかれる。1910年代後半から写実様式に戻り,連作《アメリカの歴史的叙事詩》を手がける。30年代から反ヨーロッパ・モダニズムを主張し,アイオワのウッドGrant Wood(1892‐1942),カンザスのカリーJohn Steuart Curry(1897‐1946)とともに,アメリカ固有の表現をめざす美術のナショナリズムともいえる〈リージョナリズム〉を展開。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ベントン
べんとん
Thomas Hart Benton
(1889―1975)

アメリカの画家。1930年に流行したリージョナリズム(地方主義)を代表する一人。ミズーリに生まれる。シカゴで学んだのち、パリでキュビスム、シンクロミズムとともにティントレット、エル・グレコなどの様式を吸収して帰国。1920年代からリアリズムによる壁画を数多く手がけ、量感のある人物群像を奥行のある空間いっぱいに充填(じゅうてん)する動的な画風を確立した。物体の形態を解体するキュビスムを嫌ったベントンは、アメリカの抽象美術を単なる排泄(はいせつ)物、呪文(じゅもん)の類(たぐい)として否定し、日常的な風俗や農村における労働の情景を壮大な叙事詩的な手法で描いた。アイオワのウッド、カンザスのカリーに比べると、彼はもっとも急進的なナショナリストの立場を標榜(ひょうぼう)し、連邦美術計画にも強い刺激を与えている。[桑原住雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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