ベーハン(読み)べーはん(英語表記)Brendan Francis Behan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベーハン」の意味・わかりやすい解説

ベーハン
Behan, Brendan(Francis)

[生]1923.2.9. ダブリン
[没]1964.3.20. ダブリン
アイルランド劇作家。少年時代にアイルランドの完全独立を目指す非合法組織であるアイルランド共和軍 IRAに参加し,テロ活動を行なって逮捕され (1939) ,ボースタル少年院に3年間収容された。 1942年再び逮捕されて 14年の刑を宣告され,46年大赦で釈放されるまで服役。その体験から,自伝小説『ボースタル少年院』 Borstal Boy (58) ,戯曲『奇妙な奴』 The Quare Fellow (54) ,『人質』 The Hostage (58) を発表し,アイルランド演劇に新しいページを開いた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベーハン」の意味・わかりやすい解説

ベーハン
べーはん
Brendan Francis Behan
(1923―1964)

アイルランドの劇作家。ダブリン出身。10代前半から独立運動に参加したが、イギリスで捕らえられ、自伝『ボースタル・ボーイ(感化院の少年)』(1958)の舞台となった少年院に収容され、のちにも政治犯として8年間下獄、長編劇『死刑囚』(1954)にみなぎる雰囲気を体験した。この作品と次作『人質』(1958)はともにゲール(アイルランド)語で書かれて初演されたが、故国で英語化上演ののち、イギリスの女流演出家リトルウッド主宰の「シアター・ワークショップ劇団」によりロンドンで好演されて、大いに注目された。未完の第三作『リチャード義足』は作者の死後に、友人の演出家アラン・シンプスンが加筆上演(1972)している。ほかに、3編のラジオドラマなどがある。

[森 康尚

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