ホモルーデンス(その他表記)homo ludens

デジタル大辞泉 「ホモルーデンス」の意味・読み・例文・類語

ホモ‐ルーデンス(〈ラテン〉Homo ludens)

《遊ぶ人の意》人間観の一。遊ぶことに人間の本質的機能を認める立場から人間を規定した言葉オランダの歴史家ホイジンガが提唱した。

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精選版 日本国語大辞典 「ホモルーデンス」の意味・読み・例文・類語

ホモ‐ルーデンス

  1. 〘 名詞 〙 ( [ラテン語] homo ludens 遊ぶ人の意 ) 人間観の一つ。遊ぶことに人間の本質的機能を認める立場から人間を規定した言葉。オランダの歴史家ホイジンガの用語

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホモルーデンス」の意味・わかりやすい解説

ホモ・ルーデンス
homo ludens

遊戯する人間」の意。オランダの文化史学者 J.ホイジンガの提唱した概念で,著書『ホモ・ルーデンス-遊戯における文化の起源』 (1938) は,遊戯思想史上一時期を画した。従来,遊戯は文化のなかから出てくるものであり,文化のほうが上位概念であると考えられていたが,ホイジンガはこの考え方を逆転させて,原初から文化は遊戯のなかに,遊戯として発達するという画期的な主張を提出した。そしてヨーロッパ諸国だけでなく,インド,中国,日本など東洋をも含めた遊戯概念の言語学的,文献学的,歴史的考察を試みたが,彼の遊戯観の特徴は,遊戯のもつ対立的性格に注目し,遊戯と競技との根源的な関係を認めているところにある。しかし,彼は遊戯の文化史的考察に重点をおいているため,現代の遊戯を本来の遊戯の形骸化とみ,いわゆるプロ・スポーツを白眼視したり,また社会における遊戯の変質に目を向けない面があり,この点で R.カイヨアらと対立している。

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百科事典マイペディア 「ホモルーデンス」の意味・わかりやすい解説

ホモ・ルーデンス

ラテン語で〈遊ぶ人〉〈遊戯人〉の意。人間の諸活動を〈遊び〉の観点から考察したホイジンガ著作(1938年)の表題でもある。同書は合理主義的人間理解の枠を越えるものとして大きな反響を呼ぶとともに,カイヨアの《遊びと人間》(1958年)などの研究も生んでいる。

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世界大百科事典(旧版)内のホモルーデンスの言及

【遊び】より


【ホイジンガの〈遊び〉論】
 この遊びの大衆化の傾向とそれが遊びそのものにもたらす危機とを感じとり,それに反発した学者が,たとえば,ホイジンガであった。その著《ホモ・ルーデンス》(1938)の根底にはこうした切実な問題意識を認めることができる。それは遊びに関する理論の出発点であった。…

【遊戯】より

…現代社会が子どもとおとなの遊戯として知っている活動について,未開社会と伝統的社会に,とりわけその儀礼としての存在を探す試みが,その後文化人類学者によって営々と続けられたのである。しかし,未開社会と現代社会とを進化の軸上にとって遊戯の社会的機能を比較するというしかたで提出されたこの文化先行説に対しては,ホイジンガ(《ホモ・ルーデンス》)に代表される遊戯先行説が対立している。彼はあらかじめ設定した遊戯の諸要素を,文化の諸領域に広範に確認するという作業を通して,文化は遊戯の中で始まったこと,文化は遊戯のより高次の諸形態であることを論じるのである。…

※「ホモルーデンス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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