ボダイジュ(菩提樹)(読み)ボダイジュ

百科事典マイペディア 「ボダイジュ(菩提樹)」の意味・わかりやすい解説

ボダイジュ(菩提樹)【ボダイジュ】

シナノキ科の落葉高木。中国原産で,日本には栄西が12世紀にもたらしたといわれ,各地の寺院などに植えられている。葉は三角状卵形で先はとがり,葉柄や裏面には灰白色の細毛が密生,縁には鋭鋸歯(きょし)がある。6〜7月,葉腋から集散花序を出し,淡黄色5弁で芳香のある小花を多数開く。花序の柄は長く,基部に1枚のへら状の包葉をつける。果実は球形で9〜11月に褐色熟し,細毛を密生。近縁オオバボダイジュは本州中部〜北海道の山地にはえ,葉は円形で大きく,裏面は白毛を密生して白い。材を建築,器具などとする。インドで釈迦がその下で悟りをひらいたという菩提樹クワ科インドボダイジュテンジクボダイジュとも)で,日本ではまれに温室に栽培される。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボダイジュ(菩提樹)」の意味・わかりやすい解説

ボダイジュ(菩提樹)
ボダイジュ
Tilia miqueliana

シナノキ科の落葉高木で,中国原産。庭園や特に寺院に植えられる。高さ 10m以上になり,黒色樹皮をもつ。葉は有柄で互生し,先のとがった卵円形,基部は心臓形で長さ 7cmぐらいあり,葉柄に短い星状毛が密生する。6月に,淡黄色で香りのある小花を葉腋から出る集散花序につける。花は小型で,萼片,花弁ともに5枚,核果は小球形で軟毛を密生する。ドイツで有名なリンデンバウムは近縁の別種オウシュウボダイジュ T. platyphyllosである。また仏教でいう菩提樹はインドボダイジュ (印度菩提樹)で,しばしば本種と混同されるがまったく別のクワ科の高木で,インドゴムノキなどに近い。このインドボダイジュはインドで聖樹とされている。

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