歯舌(読み)シゼツ(その他表記)radula

翻訳|radula

精選版 日本国語大辞典 「歯舌」の意味・読み・例文・類語

し‐ぜつ【歯舌】

  1. 〘 名詞 〙 斧足(おのあし)類以外の軟体動物の口腔内にあるやすり状の歯。食物をかきとる働きをする。無数のキチン質小歯からなり、その排列分類の重要な基準となる。舌紐(ぜっちゅう)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「歯舌」の意味・わかりやすい解説

歯舌
しぜつ
radula

軟体動物に特有の摂餌器官。餌をかきとる役目をする。ただし二枚貝綱はこれを欠く。歯舌は咽頭にある筋肉質の口球の内部にあり,クチクラ質の紐状基底膜の上に小さな多くの歯がやすり状に並ぶ。これを口から突き出して食物をかきとり口内に運ぶ。歯舌の前端の歯が磨耗すると脱落し,後端から新しい歯舌経がつくりだされていく。歯は中歯,側歯,縁歯に分化して横1列に並び,さらにそれが何重にも前後に並び,わさび下ろしのようになる。歯数は数万に達する種もある。歯舌の歯数や形態は分類系統上重要な特徴である。1横列の歯数 (縁歯-側歯-中歯-側歯-縁歯) は,単板綱は5-1-5,多板綱は8-1-8,掘足綱は2-1-2,腹足綱の原始腹足類は主として∞-5-1-5-∞ (∞は多数を示す) ,中腹足類は2-1-1-1-2,新腹足類は主として1-1-1,頭足綱は1-3-1-3-1である。腹足綱のイモガイ類では歯舌歯が針のように特殊化しており,これを餌となる動物に突刺し,毒を注入して殺して食べる。

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最新 地学事典 「歯舌」の解説

しぜつ
歯舌

radula

巻き貝やヒザラガイなどおもに岩礁に生息する軟体動物がもつ摂餌器官。紐状の組織の上に無機質の微細な歯が規則正しく配列しており,この歯舌を岩に接触させて出し入れし,岩の上の藻類海藻などを掻き取って捕食する。摂餌の歯の最も硬い部分は,ヒザラガイ類では磁鉄鉱,カサガイ類ではゲーサイトなどの水酸化鉄でできている。歯舌は捕食とともにすり減るため,常に新しいものがつくられて供給される。

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参照項目バイオミネラリゼーション

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百科事典マイペディア 「歯舌」の意味・わかりやすい解説

歯舌【しぜつ】

二枚貝類を除く軟体動物の口球(消化管先端のふくらんだ部分)中にあるやすり様の帯状物。食物をかきとる働きをする。キチン質の基底膜上に無数の小歯が横列をなして並ぶ。小歯には中心歯,側歯,縁歯の区別があり,その形や数は分類の重要な標徴とされる。新生は後端部の歯舌嚢で行われ,前方へ送り出される。

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普及版 字通 「歯舌」の読み・字形・画数・意味

【歯舌】しぜつ

取沙汰。

字通「歯」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の歯舌の言及

【歯】より

…動物の消化器の一部で,おもに食物のかみ切りや,かみ砕きをする硬い器官。無脊椎動物では,多毛類,ワムシ類,昆虫類などの口,ザリガニの胃,軟体動物の歯舌(しぜつ)radula,ウニのアリストテレスの提灯(ちようちん)など,さまざまな動物のさまざまな場所に歯と呼ばれるものがある。これらはキチン,ケイ酸,炭酸石灰などでできているため,食物の取りこみや消化に適した硬い質を共通してもっている。…

※「歯舌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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