ポルフィリオス(読み)ぽるふぃりおす(英語表記)Porphyrios

精選版 日本国語大辞典 「ポルフィリオス」の意味・読み・例文・類語

ポルフィリオス

(Porphyrios) ギリシア哲学者プロティノス弟子アリストテレス定義・類・固有性・偶有性を、類・種差・種・固有性・偶有性の五つの概念に変えて研究し、スコラ哲学伝統を築いた。また、アリストテレスの存在論理学を、言語様式としての形式論理学に変質させた。主著「アリストテレス範疇論入門」。(二三三頃‐三〇五頃

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポルフィリオス」の意味・わかりやすい解説

ポルフィリオス
ぽるふぃりおす
Porphyrios
(232ころ―305ころ)

古代ギリシアの新プラトン学派の哲学者。フェニキアテュロスの生まれ。プロティノスの弟子で、師の著作『エンネアデス』を編纂(へんさん)刊行した。その膨大な著作のうち、今日に残るものは少ない。宗教的な関心が強く、キリスト教に対抗して、古代ギリシア・ローマの伝統宗教を擁護し、これを神学化し、一般人の倫理哲学とすることに努めた。アリストテレスの諸著作への注釈のうち、ことに『カテゴリー論入門』は、中世における論理学研究の教科書となった。「ポルフィリオスの樹(き)」とは類種による概念の分類体系の図式化をいう。

[加藤信朗 2015年2月17日]

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