マカロニ・ウェスタン(読み)マカロニウェスタン

百科事典マイペディア 「マカロニ・ウェスタン」の意味・わかりやすい解説

マカロニ・ウェスタン

イタリア製西部劇の日本における俗称。英語圏では〈スパゲッティ・ウェスタン〉と呼ばれる。黒澤明監督の《用心棒》(1961年)を西部劇に翻案したS.レオーネ監督,C.イーストウッド主演の《荒野の用心棒》(1964年)のヒットにより世界的ブームとなり,1972年までに400本以上の作品が作られた。〈フロンティアスピリット〉など米国特有の精神風土の無視や荒唐無稽な物語によって生み出される無国籍性,ネオレアリズモの流れを引く即物的な暴力描写や派手な銃撃場面などに特徴がある。米国では当初蔑視されたが,のち逆に影響を与えた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マカロニ・ウェスタン」の意味・わかりやすい解説

マカロニ・ウェスタン
spaghetti western

イタリア制作の西部劇をさすが,俳優にアメリカ人を起用したり,撮影にスペインなどの周辺国を使ったりすることもある。ブームのきっかけとなったのは,黒沢明の『用心棒』を翻案した『荒野の用心棒』 (1964) 。これは監督 S.レオーネ,主演 C.イーストウッドの力作で,このコンビによる作品は以後も続き,イタリア西部劇興隆の礎を築いた。本場アメリカの西部劇では,国家の理念や精神が体現されるのに対し,イタリア作品では主人公個人の情念前面に押し出され,特色を異にする。「マカロニ・ウェスタン」は日本人の造語

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