日本大百科全書(ニッポニカ) 「マルケ(イタリア)」の意味・わかりやすい解説
マルケ(イタリア)
まるけ
Marche
イタリア中部の州。面積9694平方キロメートル、人口146万3868(2001国勢調査速報値)。アンコーナ、アスコリ・ピチェーノ、ペザロ・エ・ウルビーノ、マチェラータの4県からなり、州都はアンコーナ。ウンブリア‐マルケ・アペニン山脈の東斜面に広がる丘陵地状の州。依然として農業の比重が高い。ただメッツァドリアmezzadriaとよばれる折半小作制度が伝統的に広くみられたが、第二次世界大戦後の過程でそのほとんどが解体してしまった。工業活動としては、アンコーナの造船業を除けば、ペザロの陶器、ファブリアーノの製紙、カステルフィダルドの楽器、イエージの絹業などのように総じて伝統的なものが多い。アドリア海に面して多くの漁港がある。
[堺 憲一]