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マルコス政権 まるこすせいけん

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知恵蔵2015の解説

マルコス政権

政権の発足は1965年12月。72年9月に戒厳令を布告、以後、フィリピンに独裁体制を敷いた。経済開発を最優先課題として掲げ、外資関連法案の体系化、官僚制の整備、開発計画の合理化と中央集権化、輸出促進のための平価切り下げなどを試み、外交面では、社会主義諸国とも国交を樹立するなどして、一応の成果を上げた。しかし政権後半から、クローニー(取り巻き)による経済的権益の寡占傾向が顕著になる。外貨獲得の柱としていた農産品の国際市況低迷も逆風となって、80年代初めには、輸出指向工業化政策が完全に行き詰まる。83年8月、ベニグノ・アキノ・ジュニア元上院議員暗殺事件をきっかけに深刻な政情不安が起こり、外国債権団も新規融資を停止し短期債権の回収を急いだため、フィリピン経済は極端な不振に陥った。それまで四分五裂を繰り返していた合法野党勢力はこの事件によって求心力を回復、84年の議会選挙で3割の議席を獲得した。86年2月の大統領選挙では故ベニグノ・アキノの夫人、コラソン・アキノを統一候補として擁立、マルコスと互角以上の戦いを展開した。野党はマルコス陣営による大規模な選挙不正によって選挙には敗れたものの、マルコスの威信も著しく損なわれた。側近のエンリレ、ラモスら一部国軍幹部の反乱を契機とした2月革命によって、同年2月25日、マルコスとその一族は米軍機による国外脱出を余儀なくされた。マルコスは89年9月28日、亡命先の米ハワイで病死(72歳)。イメルダ夫人は91年11月に帰国を認した。

(片山裕 神戸大学教授 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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