マルティ(英語表記)Martí, José Julián

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

マルティ
Martí, José Julián

[生]1853.1.28. ハバナ
[没]1895.5.19. オリエンテ,ドスリオス
キューバの詩人,独立運動の指導者。 S.ボリバルとともにラテンアメリカ諸国の自由独立の象徴として知られる。少年時代からキューバ独立運動に加わって,スペインに追放されたが,同地のサラゴサ大学で法律と文学を学んだ。その後も帰国と追放を繰返し,1881年ベネズエラで機関誌の発行を試みたが,いれられずニューヨークに移った。『祖国』 La Patria誌を刊行し,キューバの独立とラテンアメリカ諸国の連帯の実現のために献身した。 92年キューバ革命党の総裁となり,95年1月 M.ゴメスらの武装革命家を率いて4月キューバ上陸に成功したが,前線で敵弾に倒れた。文芸評論,伝記,説話集などを残したが,特にラテンアメリカ文学に最も貢献した作品は,B.フアレス,ホイットマン,J.サン=マルティン,S.ボリバルらの人物評伝である。また素朴な人間感情にあふれながら近代的な感覚をもつ詩によって,近代主義の先駆者とされている。『イスマエリーリョ』 Ismaelillo (1882) ,『自由詩』 Versos libres (1913) ,その他の詩集,小説,評論などは革命後ハバナで発行された『ホセ・マルティ全集』 Obras completas de Jośe Martí (27巻,63~65) に収録されている。

マルティ
Marty, Anton Maurus

[生]1847.10.18. シュウィーツ
[没]1914.10.1. プラハ
スイスの哲学者,言語学者。プラハ大学教授。言語の意味作用の一般法則を突止めようとする,心理学的色彩の強い言語哲学の研究で知られる。主著『言語起源論』 Über den Ursprung der Sprache (1875) ,『一般文法と言語哲学の基礎研究』 Untersuchungen zur Grundlegung der allgemeinen Grammatik und Sprachphilosophie (1908) 。

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デジタル大辞泉の解説

マルティ(José Martí)

[1853~1895]キューバの革命家・詩人。ラテンアメリカにおける近代詩の先駆者。独立運動を指導し、スペイン軍と戦って戦死。独立の父と称される。詩集「イスマエリーリョ」など。

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百科事典マイペディアの解説

マルティ

キューバの詩人・独立運動家。祖国の独立運動に殉じ,〈キューバの使徒〉と称えられる。10代から健筆をふるい,各地を転々とした後,主にニューヨークを拠点に各国の新聞,雑誌に記事を送る。中でも〈我らがアメリカ〉(1891年)は反帝国主義独立思想の代表的論文として名高い。一方で簡潔にして洗練された作風の詩集《イスマエリーリョ》(1882年),《素朴詩》(1891年),《自由詩》(死後出版)でも知られ,いわゆるモデルニスモの先駆者のひとりとされる。
→関連項目ピノス[島]

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世界大百科事典 第2版の解説

マルティ【Anton Marty】

1847‐1914
スイス生れの言語哲学者。F.ブレンターノの高弟で,プラハ大学教授。主著は《一般文法学と言語哲学の基礎づけのための諸研究》(1908)。言語の構造を解明するためには,思想そのものの構造をまず究明すべきだとして,言語哲学の研究に心理学的および論理学的研究を導入し,一般文法学の内容はおもに経験心理学的性質のものだとした。ブレンターノの心的現象の分類(表象,判断,情動)にならって,言語表現を,表象暗示と言表と喚情的表出に三分した。

マルティ【José Martí】

1853‐95
キューバの詩人,思想家,革命家。16歳で独立運動に入り,独立戦争の初頭に42歳で戦死するまで,キューバとラテン・アメリカの解放運動に生涯を捧げ,〈キューバの使徒〉といわれた。その間,欧米で亡命生活をつづけ,とくに北アメリカには15年間の長期にわたって滞在し,そこからキューバ解放の遠征計画を指揮した。亡命地ニューヨークで多忙な独立運動の日々を送るかたわら,詩人としての活動も怠らず,1882年には処女詩集《イスマエリーリョ》を発表し,ひきつづき《素朴な詩》(1891),《自由詩》(1892)を刊行している。

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大辞林 第三版の解説

マルティ【José Martí】

1853~1895) キューバの詩人・思想家。独立戦争で殉死。「キューバ独立の父」といわれる。モデルニスモの先駆者で詩集に「素朴な詩」など。論文「われらのアメリカ」では米国の帝国主義を予見。

マルティ【Anton Marty】

1847~1914) スイス生まれの言語学者。ブレンターノの心理学に基づいて、言語の哲学的・文法学的研究を行なった。著「一般文法および言語哲学の基礎づけのための研究」

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367日誕生日大事典の解説

マルティ

生年月日:1847年10月18日
スイスの哲学者,言語学者
1914年没

マルティ

生年月日:1886年11月6日
フランスの政治家
1956年没

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世界大百科事典内のマルティの言及

【キューバ】より

…また,戦後砂糖産業の近代化と集中が進み,それに関連してキューバ砂糖業へのアメリカ資本の進出が始まった。
[独立から革命まで]
 キューバ人はその後J.マルティの指導のもとで再び独立の準備を進めた。マルティは1892年にキューバ革命党を結成し,〈10年戦争〉の英雄であるゴメスMáximo Gómez将軍やマセオAntonio Maceo将軍の協力を得て95年にアメリカ合衆国からキューバに侵入し,再び独立戦争を開始した。…

【モデルニスモ】より

…ラテン・アメリカは19世紀初頭にスペインから政治的に独立したものの,文化面ではその後も旧宗主国の影響を受けていた。しかし,独立後数十年たった1880年代になると,スペインの文化的影響から脱却するためのモデルニスモの運動がキューバのJ.マルティ,メキシコのM.グティエレス・ナヘラらによって展開され,それがラテン・アメリカ全体に広がった。彼らはゲベード,ゴンゴラらのスペイン古典詩はもちろんのこと,フランスの象徴派・高踏派,さらには中国やインドの文化の影響を受け,斬新で華麗な文体と音楽的リズム感をもった言語とを詩の分野に導入して美的・芸術的世界を謳歌し,新古典主義の硬直性とロマン主義の感傷性を打破することに成功した。…

※「マルティ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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