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マーチャント・アドベンチュラーズ Merchant Adventurers

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

マーチャント・アドベンチュラーズ
Merchant Adventurers

近代のイギリスにおいて毛織物輸出に従事した特権商人の組合。最初の特許状の発行は 1407年。冒険商人と訳される。輸出先はアントウェルペン (アントワープ) を中心とするネーデルラントで,15世紀後半から羊毛輸出の特権組合であったステープル商人組合に代ってイギリスの貿易の中心になり,16世紀には彼らのなかからチューダー朝の経済政策の顧問も出たくらいで,全盛期を迎えた。 1560年代オランダ独立戦争が勃発してからはネーデルラント市場が不安定になり,各地に市場を求めて 1611年ハンブルクに落ち着いたが,この混乱のうちに勢力も弱まった。またこの頃から議会で独占反対の機運が高まったため特権の多くを失い,清教徒革命名誉革命を経て,89年には特許状を取消され,以後も存続はしたがかつての繁栄は失われ,1806年解散した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マーチャント・アドベンチュラーズ
まーちゃんとあどべんちゅらーず
Merchant Adventurers

イギリスで中世から近代初頭にかけて活動した毛織物輸出商人の組合。冒険商人組合と訳す。活動を開始したのは13世紀であったが、1407年特許状を得て毛織物輸出の独占を図る特権団体としてロンドンで組織され、ハンザなどの外国商人、羊毛輸出商のステープル商人と対抗しながら勢力を伸ばし、イギリス国民経済の発展に多大な寄与をした。1564年エリザベス1世から改めて特許状を受けて再編成されたが、ネーデルラントの戦禍による毛織物輸出の不況に苦闘を強いられ、17世紀にはその特権が批判の対象となって独占的な地位を失ったが、組織は1808年まで存続した。[今井 宏]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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