ミランコビッチ・サイクル(読み)ミランコビッチサイクル

百科事典マイペディア の解説

ミランコビッチ・サイクル

ミランコビッチによって1930年に計算された地球気候変動についての周期現象。約10万年の周期で気候気温変動が起こるというもの。原因を地球の運動に求めており,歳差運動地軸傾き公転軌道離心率を要素として過去の太陽放射量を60万年前まで計算した曲線を求めた(ミランコビッチ曲線)。この曲線の周期は,深海底のボーリングコア中の化石有孔虫の酸素同位対比を用いた古水温の寒暖サイクルとほぼ一致する。

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知恵蔵 の解説

ミランコビッチ・サイクル

地球が受ける日射量の周期的変化で、M.ミランコビッチが発見した。4.1万年周期の地軸の傾きの変化、10万年周期の地球公転軌道の離心率の変化、2万6000年周期の歳差運動の3つが重なり、日射量の周期的変化が生じ、日射量の極小期と極大期が氷期間氷期にあたる。氷期・間氷期の天文学的起源説として知られ、統合国際深海掘削計画による堆積物コア、氷河試料の解析との関連で改めて注目されている。

(斎藤靖二 神奈川県立生命の星・地球博物館館長 / 2007年)

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