メトトレキサート

化学辞典 第2版 「メトトレキサート」の解説

メトトレキサート
メトトレキサート
methotrexate

C20H22N8O5(454.46).2,4,5,6-テトラアミノピリミジン,p-メチルアミノベンゾイルグルタミン酸,2,3-ジブロモプロピオンアルデヒドから合成される.分解点185~204 ℃.λmax 244,307 nm(0.1 mol L-1 塩酸).水,有機溶媒に不溶,希アルカリに可溶.葉酸類似の構造をもつ代謝きっ抗薬で,それによって核酸プリンとの生合成を妨げ,抗腫瘍効果を示す.免疫抑制剤として使用される.LD50 146 mg/kg(マウス経口).[CAS 59-05-2]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メトトレキサート」の意味・わかりやすい解説

メトトレキサート
methotrexat

葉酸代謝拮抗物質。葉酸誘導体であり,葉酸から四水素葉酸への変化を阻害することにより核酸代謝を阻害し,細胞の核分裂増殖を抑制する。悪性腫瘍の治療薬として白血病,特に小児白血病や脈絡膜上皮腫に有効であるが,耐性を生じることがある。血液脳関門は通過しにくい。そのほか乾癬症にも用いられる。骨髄に対する作用が強いので,副作用として赤血球増殖抑制,白血球およびリンパ球減少があり,生殖細胞抑制も強く,また免疫反応抑制,出血性腸炎がある。

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