モナザイト(その他表記)monazite

翻訳|monazite

デジタル大辞泉 「モナザイト」の意味・読み・例文・類語

モナザイト(monazite)

セリウムランタンイットリウムトリウムなどを含む燐酸塩りんさんえん鉱物。柱状結晶または塊状単斜晶系。色は黄褐赤褐色などで半透明花崗岩かこうがん片麻岩へんまがん砂鉱床から産出希土類元素の重要な原料。硬度5~5.5。モナズ石

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改訂新版 世界大百科事典 「モナザイト」の意味・わかりやすい解説

モナザイト
monazite

化学組成(Ce,La,Nd,Th)PO4の鉱物。モナズ石ともいう。Ce,La,Nd,Thのうちいちばん多いのはセリウムCeで分析値はCe2O3として40~70%含まれる。また0~5%のY2O3,0~20%のThO2も含まれる。トリウムThの多いものはその鉱石とされ,モナザイトは最も重要なトリウムの鉱石鉱物である。単斜晶系,数mm~数cmの板状晶。淡褐色。モース硬度5~5.5,比重5.2程度。花コウ岩,花コウ岩ペグマタイト中およびそれらの分解に由来する漂砂鉱床に産出し,軽希土類元素の鉱石として,バストネース石bastnaesite(Ce,La)(CO3)Fに次いで多量に採掘される。主要産出国はブラジル,アメリカ,オーストラリアで,日本では,福島県石川地方などの花コウ岩ペグマタイトに少量が産出する。名称は,希産であったためギリシア語のmonazein(孤独)に由来する。イットリウム族希土類元素(イットリウムおよび重ランタノイド)のリン酸塩はゼノタイムxenotime YPO4正方晶系,褐色の鉱物)で,それらの元素の鉱石鉱物である。
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世界大百科事典(旧版)内のモナザイトの言及

【砂鉱床】より

…地表で風化・浸食作用をうけて砂粒となった岩石や鉱物が,河川などの地表水や風により運搬される過程で,比重,形,風化に対する強度などによって淘汰・選別されて濃集し堆積した鉱床。代表的なものは,化学的に安定で比重の大きい金,白金,クロム鉄鉱,スズ石,モナザイトなどの鉱床である。鉱脈鉱床などに産する金は多少の銀を固溶していることが多いが,風化によって壊されて運ばれるうちに,銀分を失って純粋の金に近くなるとともに,いくつかの金粒が集まってしだいに大きな金粒~金塊となる。…

※「モナザイト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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