ヤマフジ(山藤)(読み)ヤマフジ(英語表記)Wisteria brachybotrys

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤマフジ(山藤)」の意味・わかりやすい解説

ヤマフジ(山藤)
ヤマフジ
Wisteria brachybotrys

マメ科のつる性の落葉低木。ノフジともいう。本州西部,南日本に分布する。山林中で他の木に巻きついて生える。ときには観賞用に植えられる。茎は左巻き,短毛があるがのちに落ちて灰白色となる。葉は互生し,奇数羽状複葉で小葉は長楕円形,両面に短褐色毛をつける。小葉の数は4~6対でフジよりも少い。線形托葉がある。5~7月に,その年の枝に長さ 10~20cmほどの総状花序をつける。萼は短い筒状,萼歯はふぞろいで短毛がある。蝶形花は紫色で同一花序の花はほとんど同時に開く。この点で,花序の基部の花から順次に開花していくフジとは異なる。莢は有柄,果皮は堅く表面に毛がある。フジに似ているが左巻きの茎,葉の下面に毛の多いこと,花期の早いことなどで区別できる。

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世界大百科事典(旧版)内のヤマフジ(山藤)の言及

【フジ(藤)】より

…つるはひじょうにじょうぶなので,いすや籠などの家具として利用され,またかつては繊維をとり,織物にしたり,ロープのように利用された。 ヤマフジ(山藤)W.brachybotrys Sieb.et Zucc.はフジに似るが別種で,カピタンフジとも呼ばれる。本州西部,四国,九州の山地に野生する。…

※「ヤマフジ(山藤)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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