ユニリーバ(英語表記)Unilever N. V.; Unilever PLC

  • Unilever
  • Unilever N.V.

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

オランダとイギリスに本社をおく油脂業の世界的なトラスト。 1929年石鹸販売において世界市場に支配権をもつイギリスのリーバ・ブラザーズ (1885年 W.リーバにより創業) と,ヨーロッパのマーガリン市場を支配していたオランダのマルガリーネ・ユニ (72年創業,イギリス本社はマーガリン・ユニオン) の合同により成立した。原料獲得の激しい競争を避けるために行われたこの企業合同は,当時の産業史上最大のものといわれた。二重課税を回避するため複数本社制を採用するが,同一の取締役会によって管理される体制をとり,事実上の同一会社となった。その後さらに市場および事業分野の拡大を続け,現在両社合せて 600を上回る系列会社を所有,ユニリーバ・グループを形成して,マーガリン,紅茶アイスクリームなど食品,洗剤,石鹸,および化粧品,ヘアケア製品,歯磨きなど洗面用品を主力とする。 84年ブルック・ボンド・グループを,86年ナーテン・インターナショナル,チェーズボローボンズを買収。年間売上高 297億 6600万ポンド,総資産 192億 4700万ポンド (1997) 。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

英国とオランダに本社を置く。約190カ国で展開する世界大手。2013年度の売上高は約6.9兆円、営業利益は約1兆500億円。日本では、ボディーソープの「ダヴ」や紅茶の「リプトン」など13ブランドを販売している。

(2014-05-23 朝日新聞 朝刊 2経済)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

オランダに本社を置く世界最大の食品・日用品メーカーで、イギリスにも同じ役員組織の別会社Unilever PLCをもつ多国籍企業。2008年の『フォーチュン』誌(アメリカの経済誌)のグローバル500社の企業ランキングでは第122位、食品関連ではネスレに次いで世界第2位である。
 イギリスのウィリアム・H・リーバWilliam H. Lever(1851―1925。後のリーバヒューム卿(きょう))が弟のジェームズJamesとともに、1885年、リーバ・ブラザーズ社をおこし、良質のせっけんの製造および販売を開始した。「サンライト・ソープ」とよばれた1個包みのせっけんは、あらゆる階層にまで広く普及し、その後、ライフブイやラックスが爆発的に売れた。他方、オランダのバター商のアントン・ユーゲンス家は、1869年、フランスの化学者メージュ・ムーリエMge Mouris(1817―80)の発明した新種の人造バター(マーガリン)の特許を買い取り、製品化に乗り出した。また、ユーゲンス家とはライバル関係にあったバン・デン・バーグ家もマーガリンの製造を開始した。せっけんとマーガリンはともに油脂からつくられることから、3社はそれぞれ、せっけん、マーガリンの分野で競合関係にたち、それを解消するため、まず1927年にバン・デン・バーグとユーゲンスとが合併して、オランダにマーガリン・ユニ社を、イギリスにはマーガリン・ユニオン社をそれぞれ設立した。1930年には、西アフリカに原料供給の基地を確保していたリーバ・ブラザーズ社と前記2社とが合併して、ユニリーバ社が誕生した。
 第二次世界大戦後、総合食品会社として発展し、食肉加工品、冷凍食品、レストランなどに進出する一方、包装材料や油脂関連の化学品、飼料にまで多面的な事業展開を行った。紅茶のリプトン社も同社の関連会社であり、1984年にはブルックボンド・グループをも傘下に収めた。
 1996年には不採算部門の切り離し、事業整理など、大規模なリストラクチャリングを開始した。翌1997年にはファイン・ケミカル(少量、高純度の化学製品)部門を担っていたナショナル・スターチ・アンド・ケミカルなど4社を、イギリスの総合化学会社ICIに売却した。さらに2000年6月、ブランド力の強化をねらって、スープの「クノール」など有名ブランドをもつアメリカの食品大手ベストフーズの買収を発表。同年10月に吸収・合併を完了させてユニリーバの食品部門と統合、食品とホーム・アンド・パーソナルケア(日用品)の2事業部組織に再編した。1999年時点で約1600あったブランドは、2001年には各市場で上位を占める400の優良ブランドに集中した。2008年現在、「ダヴ」(スキンケア、ヘアケア製品)、「クノール」、「リプトン」など13ブランドでそれぞれ10億ユーロ以上の売上げがあり、代表的25のブランドで全体の売上げの70%を占めている。
 2008年現在、世界約100か国に関連会社と活動拠点を有し、270か所に製造拠点を置いている。同年の売上高は405億2300万ユーロに上り、利益は52億3000万ユーロである。内訳はスープ、スナック菓子、マーガリンなど食品関連35%、化粧品・シャンプーなどパーソナル・ケア製品28%、アイスクリーム・飲料19%、洗剤などホームケア製品18%となっている。地域別売上構成はヨーロッパ32%、アメリカ32%、アジア・アフリカ地域36%である。アジア、アフリカでの伸びが著しい。従業員数約17万4000人。
 日本には1964年(昭和39)、豊年製油(現J-オイルミルズ)との合弁により豊年リーバを設立。1977年には日本リーバ・インダストリーズに改称、1982年に日本リーバ、2005年(平成17)にユニリーバ・ジャパンとなった。これが日本におけるリーバ・グループの中核となり、製品開発、販売、グループ全体の管理を担当している。関連会社にユニリーバ・ジャパン・ビバレッジ(1964年設立、紅茶など飲料の製造・販促)等がある。[湯沢 威・上川孝夫]

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