ラジウム療法(読み)ラジウムリョウホウ(その他表記)radium therapy

デジタル大辞泉 「ラジウム療法」の意味・読み・例文・類語

ラジウム‐りょうほう〔‐レウハフ〕【ラジウム療法】

ラジウム放射線の組織破壊性を利用して行う治療法。悪性腫瘍しゅように用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「ラジウム療法」の意味・読み・例文・類語

ラジウム‐りょうほう‥レウハフ【ラジウム療法】

  1. 〘 名詞 〙 ラジウムその他の天然性放射性物質を使用して悪性腫瘍(しゅよう)などを治療する方法

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラジウム療法」の意味・わかりやすい解説

ラジウム療法
らじうむりょうほう
radium therapy

1898年にキュリー夫妻により発見された放射性同位元素ラジオ・アイソトープRI)のラジウム(原子番号88、原子量226)が壊変する際に放出されるα(アルファ)線、β(ベータ)線、γ(ガンマ)線のうち、おもにγ線を利用した放射線治療法。ラジウムを白金製の管や針などの小さな容器に密封し、がん病巣に一時的に留置して照射を行うため、密封小線源治療として知られる。子宮頸(けい)がんや舌がんなどに対する密封小線源治療の代表的な放射線源として広く利用されてきたが、ラジウムの半減期は約1600年と長いため、放射線防護・管理の観点から、現在は半減期のより短いコバルト60、イリジウム192、ヨウ素125、金198などが使用されている。

 一方、α線を放出する原子量が223のラジウムを静脈内に投与し、骨に集まりやすい性質を利用して前立腺がん骨転移に対する治療を行う非密封小線源治療があり、RI内用療法ともよばれている。これら二つはまったく異なるがん治療である。

[赤沼篤夫・石川 仁 2024年2月16日]

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百科事典マイペディア 「ラジウム療法」の意味・わかりやすい解説

ラジウム療法【ラジウムりょうほう】

ラジウムその他の天然放射性物質を用いる放射線治療。ラジウム塩,ラドンなどが用いられる。皮膚疾患などに対する表在照射には,そのβ線が利用され,白金製のラジウム針,純金製のグレインなどによる腫瘍(しゅよう)などに対する組織内照射や管状線源を用いる腔内照射には,そのγ線が利用される。1950年ころから,人工放射性元素の利用が普及し,しだいに用いられなくなってきた。

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