ラトランド(英語表記)Rutland

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラトランド」の意味・わかりやすい解説

ラトランド
Rutland

イギリスイングランド中部,イーストミッドランズ地域の単一自治体(ユニタリー unitary authority)。旧ラトランド県。行政府所在地オーカム。1974年の自治体再編でレスターシャー県に編入され,1997年に再び分離して単一自治体となった。古代は住民のまばらなカシ林だったが,ローマ人の重要な植民地があった。5~6世紀にアングロ・サクソン人が定住した。1159年には独立した地区として記録に残っている。高地の農村地帯で,多数の村のほか,オーカムとアッピンガムの二つの歴史的な市場町があり,どちらの町にも有名な学校がある。オーカムには 14世紀に建てられた大きな教会と,ノルマン朝時代後期の住宅建築の代表例である 12世紀の古城がある。建築石材として優れた砂岩層に恵まれ,質のよい古い教会や住居が数多く残っている。また,コッツモア式狐狩の発祥地としても知られる。農業のほか,電気製品,セメントプラスチック衣料などの製造業が行なわれる。1970年代後半,拡大するノーサンプトンシャー県ピーターバラ都市圏の水需要を支えるため,中央部に 12km2以上の面積を占める国内最大の人工貯水池,ラトランド・ウォーターがつくられた。魚釣り,バードウォッチング,舟遊びなどが楽しめる自然保護区となっている。面積 382km2。人口 3万7300(2005推計)。

ラトランド
Rutland

アメリカ合衆国,バーモント州西部の都市。アメリカ独立戦争の際はバーモント北部の前哨基地となり,1784~1804年までは州都であった。大理石工業中心地で,大理石採掘のほか合板,計器,航空機部品などの工業が行われる。またスキー場などの施設も整い,狩猟保養地としても知られる。人口1万 8230 (1990) 。

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