ピーターバラ(読み)ぴーたーばら(英語表記)Peterborough

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピーターバラ」の意味・わかりやすい解説

ピーターバラ
Peterborough

イギリスイングランド東部都市。単一自治体(ユニタリー unitary authority)。中心部はノーサンプトンシャー県,東部はケンブリッジシャー県,ニーン川南部はハンティンドンシャー県に属していた地域からなる。1974年の自治体再編でケンブリッジシャー県の一部となり,1998年に単一自治体となった。ケンブリッジ北西約 50km,フェン地方と呼ばれる低地の西縁部にあり,ニーン川に臨む。1118年に建造が始まった聖ピーター大聖堂を中心に発展した町で,14世紀には羊毛産業の中心地となり,織物梳毛の生産が行なわれた。広大な湿地帯であったフェン地方が,17世紀半ば以降本格的な排水事業により干拓され農業地帯となってからは,農産物を集散する市場町として発展。19世紀半ば鉄道が通じてから工業が発達し,ディーゼルエンジン蒸気タービンポンプ,電気器具,果実・野菜缶詰,製糖(甜菜糖)などの工業が行なわれている。ロンドンエディンバラを結ぶ鉄道が通り,接続地点であるため倉庫や流通業に適している。面積 343km2。人口 15万9700(2005推計)。

ピーターバラ(伯)
ピーターバラ[はく]
Peterborough, Charles Mordaunt, 3rd Earl of

[生]1658頃
[没]1735.10.25. リスボン
イギリスの軍人,政治家,外交官海軍軍人となり,1688年オランニェ公ウィレム (のちのウィリアム3世 ) にイギリス侵寇を進言名誉革命後,同王のもとで枢密顧問官大蔵卿をつとめ,モンマス伯に叙せられた。 97年反逆に加担したかどで一時投獄された。同年叔父の死によりピーターバラ伯を継いだ。 1702年宮廷に復帰し,スペイン継承戦争で活躍,05年バルセロナを攻略した。学芸パトロンとしても知られ,J.スウィフトや A.ポープを庇護した。

ピーターバラ
Peterborough

カナダ,オンタリオ州南東部の都市。トロントの北東約 110km,オトナビー川河畔に位置する。 1821年 A.スコットが比高差 15mの滝を利用した製材所,製粉所を建設。 25年 P.ロビンソンに引率されたアイルランドの移住者約 2000人が入植。地名はその引率者の名にちなみ命名。商工業の中心地,電気機械,ボート,船舶設備,時計,食品工業が行われる。人口6万 8371 (1991) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピーターバラ」の意味・わかりやすい解説

ピーターバラ(イギリス)
ぴーたーばら
Peterborough

イギリス、イングランド中部にあるユニタリー・オーソリティーUnitary Authority(一層制地方自治体)の都市。人口15万6060(2001)。ケンブリッジシャー県北部の低平なフェン地方The Fensに位置する鉄道・道路交通の要衝。また農業地帯の地方中心都市で、農業機械や農産物の加工業があるほか、ディーゼルエンジンなどの工業も立地する。7世紀以降、修道院や大寺院が置かれ、宗教中心地でもあった。14世紀に完成した大寺院や古い修道院の遺跡がある。

[久保田武]


ピーターバラ(カナダ)
ぴーたーばら
Peterborough

カナダ、オンタリオ州南東部の都市。トロントの北東120キロメートルに位置する。人口7万1446(2001)。1821年の水車の建設が起源で、25年に2000人のアイルランド人が移住後、交通の要地として発達した。木材生産とオンタリオ湖北岸の農業地帯の中心だったが、1890年ころより電気関係の工場が立地し始め、工業都市となる。1905年市制施行。

[山下脩二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android